中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
396. [摯][シ][画数:15画][部首:手]
『真摯』
この言葉、意外と知らない人がいました。と、言っても私の今までの人生の中でですが。紳士と勘違いしてる人が結構いました。読み方は同じですが、似て非なるものがあります。
こんな風に書くと、それぐらい誰でも知ってるよ。と声が聞こえそうですが、知っていて当たり前のことを知らない人もいるのです。世の中には。
紳士的と言うのは「紳士らしく礼儀をわきまえ、相手を尊重するさま」【出典:大辞林第三版 三省堂.】とありますが、紳士的を調べて、最初に紳士らしくと説明があると、「ん?」となりました。しかし、礼儀正しく、相手を尊重する事なのでしょう。
しかし、「真摯」と言うのは、「真面目でひたむき」とあります。要するに物事に真正面から取り組む姿勢と言った様子を表わしているのだと理解しています。
確かに紳士的な態度の一つに挙げられるのかも知れませんが、少し違うと思います。
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397. [賜][シ][たまわ-る][画数:15画][部首:貝]
『賜姓降下』
「皇族が姓を賜って、その身分を離れること。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】。
しかし、この「姓」は、法律用語では無くなっているようです。
明治になって苗字・姓が氏に統一され、現在の法律もこれを継承しています。
ですから、この辞書の書き方は、どうなのでしょう。この辞書には天皇とは書いていませんが、賜ると書かれています。皇族ですから、その上は天皇の事でしょう。
デジタル大辞泉では、「皇族が天皇から姓を賜り、臣籍に入ること」となっていますが、これも現在では違うのでしょう。
皇族典範全文に目を通しましたが、「皇族の身分を離れる」と言う言葉はありますが、氏をどうするかは、書かれてないように思いました。
女子が皇族の身分から離れる場合は、順宮厚子内親王が池田厚子さん、あるいは清宮貴子内親王が島津貴子さんが記憶にあります。最近皇族の身分を離れた方は、何人かいらっしゃるのでしょうが、残念ながら私は知りません。
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398. [諮][シ][はか-る][画数:16画][部首:言]
『諮詢』
諮問と言う言葉は知っていますが、この諮詢と言う言葉は初めて知りました。
辞書では同じ意味に扱っています。
しかし、明治時代に、諮詢機関と言うものがあり、「旧憲法下、天皇がその大権を行使するにあたって意見を徴した機関。枢密院・元老会議・元帥府など。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】とありました。
この辞書から推察すると、全く同じ意味では無いような気がしています。
もちろん今は同じ意味で差し支えないのでしょうが、諮詢は、あくまでも上の者が下の者の意見を聞く場合で、諮問は、専門家などに意見を求めるので、そこに上下関係は存在しないように思うのですが。
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399. [侍][ジ][さむらい][画数:8画][部首:人]
『えせ侍の刀弄り』
侍ではないものの、現在でもこのように、実力が無い人ほど虚勢を張って威張り散らす人がいます。
もちろん刀を差していませんから、刀を振り回す事はないのですが、代わりに権力を奮います。まだ権力を持っている人なら、気持ちはわかりますが、人の権力を傘に着てこのような振る舞いをする人こそ、「えせ侍」と言えそうです。
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400. [慈][ジ][いつく-しむ][画数:13画][部首:心]
『慈悲忍辱』
これは、ニンニクに慈悲があるのとは、違います。確かに栄養価は高いようで、身体の弱い人には「慈くしむ」と言えるかも知れません。
ちゃうちゃう、そんな話ではありません。
「仏教語で、「慈悲」は慈しみ深い心、「忍辱」は苦難を耐えてしのぶことで、情け深くどんな苦難も耐えてしのぶこと。または、僧が守るべき道のこと。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】。
それでも、耐えられない仕打ちに合う事もあると思います。そんな時こそ、耐え忍ぶことが良い結果をもたらしてくれるのでしょう。
腹を立てるだけなら良いのですが、それを言動に表してしまうと、ロクな結果になりません。結局は後悔する事になりそうです。
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