中学校で習う漢字三体字典 Part86

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

426. [][シュ][おもむき][画数:15画][部首:走]

生死ごしゅしょうじ

 この言葉は、まず輪廻転生と言う生死の考え方を信じるかどうかで変わってくると思います。誰も死後の世界を知っている人はいないはずですから。
 この考え方は、仏教だけではなく世界の各地で見られるものです。果たして実際はどうなのかは判りません。
 もし、人間が生まれ変わると信じられるのであれば、この言葉も生かされるのでしょう。
 この四字熟語の意味は、生きている時に行った善悪によって、天、人、畜生、餓鬼、地獄に生まれ変わると言うのです。
 また、六道輪廻と言うものもあります。天・人・修羅・畜生・餓鬼・地獄に生まれ変わると言うものです。
 他にも生まれ方によって四生と言う分類も見る事ができます。胎生・卵生・湿生・化生がそうです。
 私は無宗教なので、好き勝手な事を言わせてもらいますが、これは生きている人に対する戒めであると思っています。悪く言えば脅迫のようなものです。
 仮に転生と言うものがあったとしても、その記憶を持ち合わせていないのであれば、何も恐れる事はありません。人間は記憶の中で、生きていると思えるのですから。
 かと言って、生きている時に自由気ままに振舞っても良いかと言うと、そうではありません。ここでは倫理的な事を考えないで、現実を見て見ましょう。
 生きてるときに、悪に身をやつした時には、現在では法に照らして裁かれます。法を犯さないまでも、人の嫌がる事をすれば、人からそれなりの仕打ちを受けるかも知れません。
 まして、「天知る、地知る、我知る、人知る」と言う言葉のように、自分自身の心が苛まれる事を知っておくべきです。

楷書 行書 草書

427. [寿][ジュ][ことぶき][画数:7画][部首:士]

喬松之寿きょうしょうのじゅ

 この言葉の由来が赤松子と王子喬と言う中国の伝説の仙人らしいのですが、この人達は老いることなくいつまでも生きていたのでしょうか。
 であれば、今でも健在なのか、と意地悪な事を考えてしまいます。
 これも、人それぞれの死生観によると思います。人はいつまでも生きたいと思うものだ、と思う人が造った言葉でしょう。
 私は「生者必滅」を信じていますので、世代交代、老いては子に従い、そしてバトンタッチしていくのが人間の摂理だと思っています。
 出来れば生きている間に、次の世代に有益な事を遺して置きたいと考えています。

楷書 行書 草書

428. [][ジュ][のろ-う][画数:8画][部首:口]

文』

 「開けゴマ」と言う呪文は「アリババと40人の盗賊」と言う物語に出てきます。
 この漢字を見ると、何だか悪い事に使われるように思いますが、いわゆるまじないの言葉です。
 「のうまくさんまんだ ばざら だん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん」これは、真言宗の真言と言われるもので、不動明王に唱えるとされています。サンスクリット語をそのまま日本語にしていますから、違った書き方をしているものもあるかと思います。
 そして、この呪文は唱えると願いが叶うとされています。他にも世界各地でこの呪文がありますから、悪い事も良い事も、人が願いを叶えたい願望から出来たものではないのでしょうか。
 信じるか、信じないか、それは人それぞれです。
 それにしても、「痛いの痛いの飛んでいけ」と言う呪文は何だか効くような気がします。

楷書 行書 草書

429. [][ジュ][画数:14画][部首:雨]

用』

 よく聞く言葉は、「需要」だと思います。「需要と供給」と言います。
 この「需用」は、「用途に従って用いること。電気・ガスなどを消費すること。需要。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】と需要と同じ扱いになっています。
 しかし、同じ辞書で、需要は「(1)必要としてもとめること。また、そのもの。(2) 〘経〙 消費・生産のために、市場から商品を買い取ること。また、その商品の量や総額。」と説明があります。
 この二つの内容から、需用と需要には、大きな違いがあるように思います。
 需用の場合は、あくまでも使用することを表しているのですが、需要の場合は、使用する人の為に、あるいは使用するために集める行為を表わしているのかと思います。
 これも勝手な推測に過ぎませんが、熟語が違えば、違う意味に解した方が使いやすいと思います。

楷書 行書 草書

430. [][ジュ][画数:16画][部首:人]

『医者寒からず者寒し』

 今でもそうなんですかね。医者は金持ちで、学者は貧乏。そんな現実なのでしょうか。
 どちらも縁遠いですから、良く分からない世界です。それでも一般的にはお医者さんはお金持ちと思われています。しかし、町のお医者さんを見ていると、ここでも格差はあるようです。商売が上手と言うと語弊があるかも知れませんが、流行っているお医者さんと流行っていないお医者さんがいるようです。
 私の僅かな経験ですが、こんな人はお医者さんになってはいけないと思う人も中にはいました。医は仁術と言われたのは、もう遠い昔の話なのかも知れません。

 学者でも大学の教授となると、貧乏とは程遠い生活が保障されているように思えますが、これはドラマのせいかも知れません。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の426.~430.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【趣】走部(そうぶ)・はしる・そうにょう
  2. 【寿】士部(しぶ)・さむらい・さむらいかんむり
  3. 【呪】口部(こうぶ)・くち・くちへん
  4. 【需】雨部(うぶ)・あめ・あめかんむり
  5. 【儒】人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね

 ・・・・つづく。

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