中学校で習う漢字三体字典 Part90

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

446. [][ジュウ][画数:14画][部首:金]

『救難

 テレビで観た事はありますが、救難銃と言うのですね。他にも救命銃や救助銃など呼び方は色々ですが、災害時や遭難時に人を助けるために工夫されている銃があります。
 現在は、この救助だけではなく、警察が相手を拘束するための銃も開発されているとか。
 アメリカのロサンゼルス警察では、今年一月から訓練に入るという「BOLA WRAP」と言う銃から発射されるケブラー素材の紐で相手をグルグル巻きにしてしまうという代物。
 人殺しの道具から発展したとしても、救助や制圧するために銃が使われるのであれば、大いに開発が進めば良いと思います。

楷書 行書 草書

447. [][ジュウ][けもの][画数:16画][部首:犬]

『悪もなおその類を思う』

 例え猛獣と言えども仲間意識はあると言う事です。にも拘らず、人間は猛獣、悪獣以下と思えるほど、同類に対しての方が好戦的のような気もします。
 百田尚樹氏が週刊新潮に載せられていたのですが、人間は僅か80年では、折角積み重ねられた、人間が遺して来た知的財産を学ぶ事は出来ない。だから今でも戦争が起こる。そんな記事がありました。
 私は、少し考えが違います。人間は確かに知識は増えましたが、それを学ぶにはあまりにも膨大になり過ぎたと思っています。
 一人の人が学ぶには量的に人間が対処できないのではないかと思います。私の脳が許容量が少ないのかも知れませんが。
 そんな知識は、その時に調べるとか、今開発が進んでいるAIに任せるとか、そんな時代に入ったのではないかと思います。私もインターネットの情報に大変お世話になっています。
 それよりも、人間がどう生きるべきかを学べるようにする必要があると思っています。
 どう生きるべきか、と言うと、哲学や宗教をイメージしますが、教養として、幼い間に人間はかくあるべきと言う教育、あるいは躾と言っても良いと思いますが、そんなシステムが必要なのではないでしょうか。
 そんな基本が出来ているかを、高校、大学の入試に組み入れ、かつそれが出来ている事を条件に知識の試験に合格したものを入校させる。また、入社試験でも国家試験でもこのような方法を取れば、人間として悖るような事をする人は激減すると思うのですが。
 でなければ、どんな良い政治、主義、制度があっても、それを実践するのは、人間である事を忘れてはならないのではないでしょうか。

楷書 行書 草書

448. [][シュク][画数:8画][部首:又]

伯夷はくいしゅくせい

 この四字熟語は、「伯夷」も「叔斉」も人の名前です。ですから、この二人が由来になったのですから、どんな人であったか調べて見ましょう。
 「伯夷と叔斉は自国を出て、周の文王に身を寄せた。
文王の死後、息子の武王が後を継ぎ、自身の主君である殷の紂王を討とうとしたので、不忠だと諫めたが聞き入れられなかった。
 その後、紂王を討ち取った武王が周王朝を建てたが、伯夷と叔斉は主君を討ち取った武王を非難し、周のものを食べることを恥として、周から離れて隠遁した後に餓死したという故事から。
」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】。
 少し合点が行かない事がありますが、これをもって、なぜ「私欲がなく清らかな人格の人のたとえ。」になったのでしょう。
 自分の諫言を聞き入れられなかったから、清らかな人と言えるのでしょうか。その諫言に私欲は無かったのでしょうか。
 たとえ意に添わない事で、隠遁したとは言え、周と言う国の物を口にしないことは、人格とはなんら関係の無い事と思えます。
 それは意固地になり過ぎではないですか。意固地は私欲の発露と言えます。
 もちろん、時代が違いますから、私がこの二人に対して人格を否定する程の材料はありませんが。

楷書 行書 草書

449. [][シュク][画数:11画][部首:水]

『静

 パズドラフェノン(静淑の吹龍楽士・フェノン)。今流行りのゲームに登場するようです。このゲームは知りませんが、きっとこのフェノンが物静かでしとやかなんでしょうね。よく解りませんが。
 日本的に言うと、「たおやか」ですか。少し違うようです。
 「淑」と言う漢字には、特に婦人の徳を表わす事が多いと思います。しかし、現在はそんな「静淑」な女性は、流行らないのではないでしょうか。
 昔、と言っても私が学生の頃は、そんな女性が沢山いました。特に年配の女性にそんな面影を見た気がしています。
 その頃でしょうか、ウーマン・リブと言う言葉を聞いたのは。戦後女性と靴下が強くなったと言う言葉が流行ったのは、もう少し前だった気がします。
 女性の地位が向上するのは、賛成ですが、昔の一歩引いた女性は、男性から見て魅力的と言えます。反ってその賢さが彷彿とするようで。男性の願望ですかね。

楷書 行書 草書

450. [][シュク][画数:11画][部首:聿]

『鞭声々』

 鞭声粛粛夜過河 暁見千兵擁大牙 遺恨十年磨一剣 流星光底逸長蛇。頼 山陽作「題不識庵撃機山図」。
 「鞭声べんせい粛粛しゅくしゅくよるかわわたあかつき千兵せんぺい大牙たいがようするを 遺恨いこんなり十年じゅうねん一剣いっけんみが流星りゅうせい光底こうてい長蛇ちょうだっす」と吟じます。
 意味は「(上杉謙信の軍は)鞭の音もたてないように静かに、夜に乗じて川を渡った。明け方、武田信玄方は、上杉の数千の大軍が大将の旗を立てて、突然面前に現れたのを見て、大いに驚いた。
 しかし、まことに残念なことには、この十数年来、一剣を磨きに磨いてきたのに、打ち下ろす刃(やいば)がキラッと光る一瞬のうちに、あの憎い信玄を打ちもらしてしまった。」【出典:公益社団法人 関西吟詩文化協会.】。
 学生の頃に夜中、道場から帰る時に、肩に道着を掛けて、この詩を吟じた事があります。
 今考えると時代錯誤も甚だしいと思いますが、その頃は学生服に高下駄、しかもその高下駄に鉄板を敷いていました。
 すでに時代は、アイビーやコンチネンタルと呼ばれた服装が流行った時代でした。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の446.~450.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【銃】金部(きんぶ)・かね・かねへん
  2. 【獣】犬部(けんぶ)・いぬ・けものへん
  3. 【叔】又部(ゆうぶ)・また
  4. 【淑】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  5. 【粛】聿部(いつぶ)・イツ・ふでづくり

 ・・・・つづく。

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