中学校で習う漢字三体字典 Part95

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

471. [抄][ショウ][画数:7画][部首:手]

抄略しょうりゃく

 同じ読み方で「省略」と言うのがあります。
 「内容がわかる程度に、ところどころ抜き出して書き記すこと。抜粋。また、抜き出して注釈すること。」【出典:精選版 日本国語大辞典.】。
 この内容であれば、「省略」と大差ないと思うのですが、もう一つ次のようなものもありました。
 「かすめ奪うこと。略奪。」【出典:デジタル大辞泉 小学館.】
 と読むと、随分内容に差があるように思います。
 どうもその他の辞書にあたって見ましたが、前後の文章によって意味する所も変わるのかな、と思いました。

楷書 行書 草書

472. [肖][ショウ][画数:7画][部首:肉]

『不肖』

 「不肖私は・・・」こんな言葉は、戦前か戦中の映画で聞いた記憶があります。時代が変わったら、言葉も変わるという事でしょうか。
 「肖」は、「似ている」とか「かたどる」などの意味がありますから、「不肖」は、それを否定して「似ず」とか「似ていない」などと使います。
 通常は「親に似ず」とか「師匠に似ないで」などと、自分を謙遜して言う時に使うと思います。
 言葉自体は、「未熟で愚か」あるいは「劣る」ことを言いますが、額面通りとは限りません。
 この言葉、意外と難しいので、取扱注意です。
 この主体が親の場合、親を高く評価しています。その親に似ていないと自分を下目に言います。ですから、他人の前であまり親を高く評価するのも、如何なものでしょう。

楷書 行書 草書

473. [][ショウ][画数:8画][部首:小]

『自らひくうすればたっとし』

 「謹慎謙譲空手道最大の美徳」何度もこのブログで取り上げています。松濤館流の創始、富名腰義珍先生の遺された言葉です。
 特に空手道は言うに及ばず、武道を志す人には必ず身に付けて欲しい、礼儀であり、出来れば性格までそんな人に成る必要があると思います。
 随分前の事になりますが、空手道をしている人の性格を分析している研究があったと思います。家の中を探したのですが、見当たりませんので、記憶だけですが、確か全空連のどこかの部署からの発表でした。
 その結果はあまり良い物ではありませんでした。例えば横暴であるとか横柄であるとか、自信過剰の言葉が見られたと思います。
 その記事を見た時には、少し嫌悪を感じたのですが、冷静に自分の性格や、空手をしている人達の性格を考えた時、少なからず当たっていると思いました。
 確かに、自信が付いた反動か、過剰になる場合もあるでしょう。ですから、「謹慎謙譲」に努めなければならないと思っています。
 そうすれば、この『自らひくうすればたっとし』と言う言葉のように、人から尊敬されたりする事があるかも知れません。

楷書 行書 草書

474. [][ショウ][のぼ-る][画数:8画][部首:日]

『旭日天の勢い』

 この言葉に類するものは多数思いつきます。例えば「日の出の勢い」とか「飛ぶ鳥を落とす勢い」などです。
 一時代を築いた人は、概ねそんな時期があったのではないでしょうか。
 地道に見えても、そんな迫力がなければ、他を制して登っていく事は困難だと思います。正に鯉の滝登りのように、障害を物ともせず前に突き進んだ事と想像できます。
 エネルギーと言うのか、人生の中でそんな気力が湧き出てくる時もあると思います。
 年老いて行くと、そんなエネルギーが無くなって行くのか、それは不思議な力だと思います。

楷書 行書 草書

475. [沼][ショウ][ぬま][画数:8画][部首:水]

湖沼こしょう

 湖や池は、知っています。琵琶湖や十和田湖、あるいは富士五湖の一つ山中湖などには行った事がありました。
 これも池になるのですね。住吉区帝塚山にある万代池。中学生の時はよくこの池に行きました。近くに友人の家があったので。
 この湖と呼ぶのが、湖沼こしょうの大きい物、小さい物が池と言うようです。
 では沼と言うのは何でしょう。池に近い大きさの自然に出来た水たまりで、最深部にクロモ・フサモなどの植物が見られるとの事。
 いずれも明確に分けられているものでもなさそうです。
 ただ私が思っていたのは、沼はドロドロした感じに思っていました。
 この「湖・沼・池」の他に「泉」もありますが、これは明確に「地中から水が湧きだしている」とされています。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の471.~475.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【抄】手部(しゅぶ)・て・てへん
  2. 【肖】肉部(にくぶ)・ニク・にくづき
  3. 【尚】小部(しょうぶ)・ショウ・ちいさい・しょうがしら・なおがしら
  4. 【昇】日部(にちぶ)・ひ・にち・ひへん・にちへん
  5. 【沼】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず

 ・・・・つづく。

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