中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
591. [繊][セン][画数:17画][部首:糸]
『艶麗繊巧』
この四字熟語の前の部分「艶麗」ですが、煌びやかで美しい様です。人によって好き嫌いがあるのではないかと思います。
煌びやかだから美しいとは限らないと思います。その美しさを醸し出しているものが、煌びやかであれば良いのですが、煌びやかと言うのは一歩間違えば、華美になり過ぎて派手と紙一重になってしまいます。
「人を恋うる歌」与謝野 鉄幹の詩ですが、この詩の四番目の最後に、「 芭蕉のさびをよろこばず」と言うのがあります。人によって好みも違うと言う事ですね。
ただ、後ろの熟語、繊巧、繊細な細工を私は好きな方です。
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592. [鮮][セン][あざ-やか][画数:17画][部首:魚]
『巧言令色 鮮なし仁』
論語学而編1-3にある言葉『子曰 巧言令色 鮮矣仁』が諺になったのですね。
確かに、営業マンに多いタイプです。と言うと営業の人に怒られそうですが、営業マン全てがそうとは思いません。
私のわずかな経験では、案外口下手で朴訥とした人が好感をもたれ、営業成績を上げているような気もします。
私も営業の仕事をしていた事もありますが、どうも理屈っぽくて上手い営業とは思えませんでした。
ただ成績は結構良かった事もあります。それは全て人のお陰でした。自分の営業の仕方が良かったとは、お世辞にも言えないと思っています。
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593. [禅][ゼン][画数:13画][部首:示]
『座禅組むより肥やし汲め』
私が小学校の時に、先生が家に来て、私を画家にしないかと親に薦めに来たときに、「それ儲かりまっか」と父が言った事を思い出しました。
この諺、仕事を優先する立場の人から見ると、手を打って合点する言葉だと思います。
生活の為には座禅など無用だと思うのは、至極尤もな事だと思います。
しかし、人間は一生の間、脇目も振らず仕事に精を出す事ができれば、それはそれでよい人生なのかも知れません。
「考える葦」ブレーズ・パスカルが言ったとされています。この言葉は、人間は弱い生き物だが、考える事ができると言ったと思うのですが、逆に、考えてしまうからこそ、お釈迦様の云われているような、煩悩も生まれます。
そんな時には、座禅も捨てたものでは無いと思うのですが。
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594. [漸][ゼン][画数:14画][部首:水]
『漸落』
二、三年前に少しFXと言うものをやって見ました。正式名称は外国為替証拠金取引と言うらしいですが、何だか難しそうに思いました。しかし、実際にやってみると、手続きはそんなに難しくはありませんでした。
しかし、私は「円とドル」を売り買いしたのですが、世界の情勢で上がったり下がったりします。本当に世界の情勢が変わる場合もあれば、多くの参加している人の気分次第でも上下するので、とてもついて行けませんでした。
その時に直接関係は無いのですが、相場や物価が徐々に上がったり下がったりする事にも影響されます。その下がる状態を漸落、上がる事を漸騰と言うようです。
ちなみに、やらなきゃ良かったと、反省しています。
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595. [膳][ゼン][画数:16画][部首:肉]
『膳部揃うて箸を取れ』
沢山で食事をする場所、宴会など、昔はよく参加する機会がありました。
初めからお膳に料理が載っていて、皆の分が揃っている場合は良いのですが、まだお膳が運ばれている途中で、座っている場合もあると思います。
大勢いると中には行儀の悪い人がいます。まだお膳が揃っていない時に、箸を取り、料理に手を出す人。
そんな時にこの諺を覚えて置いて、そんな人の真似をしないようにしましょう。
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