中学校で習う漢字三体字典 Part141

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

701. [徴][チョウ][画数:14画][部首:彳]

『象徴詩』

 「 叙述的表現によって直接に主題内容をうたうことをせず、音楽的・暗示的な手法で情調を象徴化して表現する詩。象徴主義の詩。一九世紀末フランスに起こり、ボードレールを始祖とし、マラルメ、ランボー、ベルレーヌらの作品が有名である。日本では、蒲原有明、北原白秋、三木露風、萩原朔太郎らの詩にその傾向が見られる。」【出典:精選版 日本国語大辞典  小学館.】。
 と言う事は、象徴詩においては、論理的な筋道を追って記述する方法を取らない、と言う事だと理解出来ます。
 要するに感じた事をクローズアップして表現するのでしょう。直接的な表現がしにくいので、間接的に表す物と思います。
 北原白秋と言う人の名前がありました。童謡になるのか唱歌と言うべきか、「この道」は、私も口ずさんだ事がありました。
 「この道は いつか来た道 ああ そうだよ アカシヤの花が咲いている」これが一番だったと思います。
 良いですね。

楷書 行書 草書

702. [嘲][チョウ][あざけ-る][画数:15画][部首:口]

冷嘲熱罵れいちょうねつば

 どうも想像しにくい人物像です。冷笑すると言うのは、自分は当事者にはならず、陰で冷ややかに相手を馬鹿にするような人に思えます。逆に熱く相手を罵るような人は、良い悪いは別にして、相手と正面から対峙しているような気がします。
 私から見ると正反対の性格のように思いますが、こんな四字熟語もある位ですから、そんな人もいるのでしょう。

楷書 行書 草書

703. [澄][チョウ][す-む][す-ます][画数:15画][部首:水]

『真澄鏡』

 「ますかがみ」とも「まそかがみ」とも言うようです。「ますみのかがみ」から変化した言葉だそうです。
 この言葉は、枕詞として使われる様です。昔の鏡は現在のようにガラスで出来ている分けではありませんので、常に磨いていた事だと推測されます。
 そんな鏡に関係する「清し」、「見る」あるいは「向かふ」などの前に付ける修飾語の役目をするのだと思います。
 万葉集の編纂に関わる歌人として有名な大伴家持が遺した和歌にも「多奈波多之 船乗須良之 麻蘇鏡 吉欲伎月夜尓 雲起和多流」があります。これは、「織女たなばたし、ふな乗りすらし、まそ鏡、清き月夜つくよに、雲立ちわたる」と読みます。
 この詩では「麻蘇鏡 」となっていますが、こんな風に「真澄鏡」は使われたようです。

楷書 行書 草書

704. [聴][チョウ][き-く][画数:17画][部首:耳]

厭聞飫聴えんぶんよちょう

 「耳に胼胝ができる」と言う事でしょうか。この四字熟語の場合は、何度も聞き過ぎて飽きると言う事です。
 しかし、洗脳であるとか、マインドコントロールの場合は、案外この何度も言うと言うのが効果があると言う事を聞いたことがあります。
 悪い意味では無くても、人に理解を求めようと思うと、一度や二度の説明では、心に届かない場合もあります。
 教育や躾と言った場合は、飽きるほど啓蒙する必要があるのかも知れません。
 しかし、飽きられては、元も子もないので、飽きられないような工夫が必要かも知れません。

楷書 行書 草書

705. [懲][チョウ][こ-りる][こ-らす][こ-らしめる][画数:18画][部首:心]

哀矜懲創あいきょうちょうそう

 「罰は罪を反省して心を入れ替えるためのものであり、罰を与える者は相手を思いやる情け、悲しみ、哀れみの心を持つことが大切であるという戒め。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】と、その意味が書かれてあります。
 法律、特に刑法などを読むと、そんな情けと言うのか、罪を犯した人間に対しての、更生の事も考えている節も見られるような気がします。
 ですから被害者の事を考えると、腑に落ちない気持ちになる事もあるのでしょう。
 しかし、この法律も、罰も人間の考えた一つの方法に過ぎませんから、そのような哀れみの心があっても良いのかも知れません。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の701.~705.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【徴】彳部(てきぶ)・ぎょうにんべん
  2. 【嘲】二部(にぶ)・ニ
  3. 【澄】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  4. 【聴】耳部(じぶ)・みみ・みみへん
  5. 【懲】心部(しんぶ)・こころ・りっしんべん・したごころ

 ・・・・つづく。

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