中学校で習う漢字三体字典 Part169

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

841. [][ハン][画数:10画][部首:田]

之思えっぱんのおもい

 この四字熟語は、農耕民族特有の考え方かも知れません。「自分の領分を守り、他者の領域を侵さないように心がけること。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】。
 しかし、この領分が田や畑、あるいは土地、そして国土となると、いつから領分と言えるのか問題になります。
 ただ、他者の領域と分かっていて侵す人や国もあるのが世の中です。
 まず、自分の領域と言われるものの原因を明確にし、世の中に認めてもらう事も大切な要素だと思います。
 そして、何より人の領分を侵さない事も、人としてあるべき姿だと思います。
 しかし、資本主義の世の中では、うかうかしていられないのも事実です。競争の原理に基づいて社会が成り立っている事も、十分認識しておく必要があるでしょう。
 ただ現在では、共産主義あるいは社会主義の国でも、競争の原理が働いているように思います。

楷書 行書 草書

842. [][ハン][画数:10画][部首:舟]

『武芸百

 ここで云われている百般は、百の武芸があるのではなく、沢山あると言う意味で使われたのでしょう。
 よく聞くのは「武芸十八般」と呼ばれるものですが、これも時代により地域によって多種あるようです。この十八般も、中国の武器の分類から来たそうです。
 ちなみに、1.弓術 2.馬術・騎馬術 3.水術(泳法術) 4.薙刀術 5.槍術 6.剣術 7.小具足 8.棒術 9.杖術 10.鎖鎌術 11.分銅鎖 12.手裏剣 13.含針術 14.十手術・鉄扇術・鉄鞭術 15.居合・抜刀術 16.柔術・和術 17.捕手術 18.もじり術 19.しのび(隠形)術 20.砲術と挙げましたが、これも20種類あります。
 現在では、柔道、空手道、剣道、相撲、弓道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道の九つを武道として、日本武道協議会が決めているようです。
 もちろん、武芸と云うものと、武道とは考え方に相違がありますので、同じように扱えないとは思います。

楷書 行書 草書

843. [][ハン][画数:11画][部首:貝]

婦』

 近頃では見なくなりましたが、行商する女性の事を言います。
 学生の頃は、総武線に乗る事が多かったのですが、朝早いとそんな年老いた女性の姿が多く見られました。勝手に年老いたと思っていただけかも知れませんが、なにせ、こちらが若かった頃ですから。
 流通システムが今ほど発展してなかった時には、女性の行商人が活躍した時代もあったのですね。
 女性活躍推進法などと言われていますが、昔は結構女性が社会に貢献していたのではないかと思いますが、勘違いなのですかね。

楷書 行書 草書

844. [][ハン][画数:12画][部首:文]

全豹いっぱんぜんぴょう

 孔子の弟子の顔回と言う人は、一を聞いて十を知る事が出来たと云われています。しかし、孔子にしても一を聞いて二を知る事ができるだけだと、弟子の子貢に答えています。もちろん、これは謙遜だと思いますが。
 ですから、この四字熟語のように、断片を聞いた、あるいは見ただけで、全てを知ったように思うのは間違いだと思います。私などのように、凡人に生まれた人は、特にそう思った方が良いと思います。
 まして、その事で人を批判したり、批評をするなどとんでもない事ですから、人から誹りを受けても仕方がないと思います。いわゆる知ったかぶりと思われてしまいます。

楷書 行書 草書

845. [][ハン][画数:13画][部首:手]

『伝

 「伝搬」は元々は誤字であり、正式には「伝播」が正字と言う記事を見付けました。
 辞書によっては、物理的な現象だけを取り上げている物もありますが、江戸時代にも、人から人に伝わるような使い方をしていたようです。
 さしずめ、現在のコロナウイルスも伝搬と言っても良いのかも知れません。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の841.~845.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【畔】田部(でんぶ)・た・たへん
  2. 【般】舟部(しゅうぶ)・ふね・ふねへん
  3. 【販】貝部(ばいぶ)・かい・かいへん・こがい
  4. 【斑】文部(ぶんぶ)・ブン・ぶんにょう・ふみつくり
  5. 【搬】手部(しゅぶ)・て・てへん

 ・・・・つづく。

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