中学校で習う漢字三体字典 Part199

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

991. [][メツ][ほろ-びる][ほろ-ぼす][画数:13画][部首:水]

『兵強ければ則ちぶ』

 うーん、そうかな。と思います。個人の場合は、明らかに実力に差がある場合は、油断が身を滅ぼす事になりかねません。
 何度かそんな羽目に合った事があります。
 ただ、この諺の場合は、一人の兵ではなく一団の兵隊の事を言っているのだと思います。
 しかもこの戦略や戦術を立てるのは、軍師とかその兵を束ねる将軍であるとかではないかと推測します。
 であれば、いくら兵を信頼していても、滅ぶところまでは行かないと思います。
 仮にその事で敗戦の憂き目に遭うとしたら、それは兵が強いからではなく、敗軍の将に責任があると思うのですが。

楷書 行書 草書

992. [][メン][まぬか-れる][画数:8画][部首:儿]

『天下御

 と、言えば「よく見よ。天下御免の向こう傷。直参旗本、早乙女主水之介、人呼んで旗本退屈男」。
 市川右太衛門の当たり役、旗本退屈男のセリフです。今では長男の北大路欣也さんも主役を務めました。他にも高橋英樹さんが演じています。
 しかし、昨年妻が自転車で転び、顔面から落ち、額を七針ほど縫ったのですが、その時にダンス仲間に、天下御免の向こう傷、と冗談で言ったそうですが、誰も反応してくれなかったそうです。
 本当に昭和は遠くなりにけり、ですね。

楷書 行書 草書

993. [麺][メン][画数:16画][部首:麥]

『麺麭』

 「後の言葉は麺麭パンを主の肉にえ葡萄酒を主の血に代えるという宗教上の儀式の言葉から意味だけを借りて来たのであった。」と、島崎藤村著の「新生」の中では、パンとルビが振ってありました。
 これ、「めんぽう」と読むそうですが、「パン」とも読むようです。
 戦争中は、色々な外来語を日本語化していたようですが、この麺麭は、もっと昔から「パン」と読んでいたようです。
 麺麭は、室町時代に鉄砲と一緒に伝来した記述を見付けましたので、随分昔からあったのだと思います。
 高村光太郎は著書「珈琲店より」の中で麺麭をクロアソンと読ませています。多分クロワッサンの事かなと勝手な推測をしています。

楷書 行書 草書

994. [][モ][しげ-る][画数:8画][部首:艸]

林脩竹もりんしゅうちく

 王羲之の遺した蘭亭序の書き出しの部分を抜粋しました。「永和九年 歲在癸丑 暮春之初 會于會稽山陰之蘭亭 脩褉事也。群賢畢至 少長咸集。此地有崇山峻嶺 茂林脩竹 又有清流激湍 映帶左右 引以為流觴曲水 列坐其次。雖無絲竹管絃之盛 一觴一詠 亦足以暢敘幽情。」。
 この臨書は馮承素ふうしょうそが模写したと言われる物を参考にしたものです。ですから、王羲之の書いた物ではない事は事実ですが、馮承素ふうしょうそが模写したと言うのも疑わしいのですが、多数の臨書がある中で、この文字を選んで臨書してみました。
 王羲之は、書道界では、書聖と称されるほどの人ですから、こんな文字を遺しているのですね。
 ちなみに、模写の臨書ですから、実際の王羲之の文字とは違うのかも知れませんが、もしかしたら、似ているのかも知れません。
 意味は「青青と生い茂っている林と長く伸びている竹のこと。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】ですが、取り上げる必要もない意味です。ただ蘭亭序の一節と言う事で、臨書するために取り上げました。

楷書 行書 草書

995. [][モウ][ボウ][画数:6画][部首:女]

『虚誕説』

 なぜ人は、この四字熟語のような、根拠の無い事を言うのでしょう。大概は、自信たっぷりに。
 虚言癖のある人なら、判るのですが、普通の人でもそんな事を言ってしまいます。
 特に信頼している人からの情報であれば尚更の事、自分で調べもしないで、さも真実のように。
 しかし、真実と思って習った事でも、教科書に載っている事でさえも、覆されるのが常です。
 私などは、義務教育、高校、大学を通して勉強はしてきませんでした。しかし、その間、運動に関しては色々経験もしましたし、少しは勉強もしたと思っています。
 それでも、極端な間違いを何度も聞き、習いました。例えば、うさぎ跳び等は、持久力と脚力を強化するのには最適と習い、実践してきました。
 昔のトイレで蹲踞の姿勢になると、後ろにひっくり返って、なかなか立ち上がれない事もありました。それを練習の成果と考えていました。確かに足の太さもかなり太くなり、脚力は強化されたと思います。
 この四字熟語のように好き勝手に話すのではなく、専門家が推奨する方法として習った事が、いとも簡単に否定されると、何を信じて良いか戸惑っています。
 今では、自分の経験で培った事だけを信じて、稽古する以外にはないと思っています。ただこれも、万人に通用するとは思えません。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の991.~995.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【滅】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  2. 【免】儿部(じんぶ)・にんにょう・ひとあし
  3. 【麺】麦部(ばくぶ)・むぎ・ばくにょう
  4. 【茂】艸部(そうぶ)・くさ・くさかんむり・そうこう
  5. 【妄】女部(じょぶ)・おんな・おんなへん

 ・・・・つづく。

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