中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
1021. [与][ヨ][あた-える][画数:3画][部首:臼]
『応病与薬』
マスプロ教育のように、一度に沢山の人をまとめて教育する事はできないと感じる事があります。
私などは戦後、団塊の世代と言われた時の産物ですから、どの教育課程でも、詰込みのマスプロ教育を受けて育ちました。
個人は、能力も育った環境も違うのですから、一律に教育されても、理解できる人もいれば、できない人もいると思います。
よく、「人を見て法を説け」と云われるように、その人に合った教育、指導の方法があると思います。
空手道の指導に随分長く携わってきましたが、色々な人がいますし、成長の仕方も人それぞれです。
この四字熟語は、「人の性格や素質、理解力などの能力に合わせて適切な指導をすること。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】と説明があります。
性格については、素直でない人もいます。ようするに天邪鬼にあたる人です。そんな人には、指導も難しいのですが、工夫が必要と思います。
ただ、習う側の問題として、物事を習得するのに一番必要なのは、素直さではないかと思っています。
また、年齢の差や習得の度合いも、理解するのに必要な要素であると思っています。
道場では一律に教える時間帯と、個人個人に対応する指導を求められると思っています。
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1022. [誉][ヨ][ほま-れ][画数:13画][部首:言]
『毀誉褒貶』
全ての人に称賛される人も、中にはいるのでしょう。
しかし、概ね傍にいる人から見ると、いやな面もあるのが普通です。特に側近と言われている人の場合は、本人も気を許していますし、わがままな事をつい言ってしまうかも知れません。
また、利害関係が反する人からは、嫌がられたり貶されたりするのが普通です。
まったく影響のない人は、その実績しか分かりませんから、功績のあった人に対しては、情報としてしか耳に入りませんから、よほどひねくれた人でない限りは、褒め称えると思います。
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1023. [妖][ヨウ][あや-しい][画数:7画][部首:女]
『妖言惑衆』
世の中の全ての事に根拠があるのであれば、この四字熟語のように、怪しげな言説は生まれないのでしょう。
しかし、実際には無から有が生じる事も、自然界には沢山あるような気がします。これも、研究が進めば原因が明らかになるかも知れないのですが、今のところ、なぜ、という疑問に答えられない事は、山ほどあると思います。
ですから、まだ解明されていない事を持ち出されて説明されると、信じてしまう事もあるのかも知れません。
特に勉強の出来る人や、知識の豊富な人ほど、自分の知らない事を言われると、簡単に信じてしまう事があるようです。
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1024. [庸][ヨウ][画数:11画][部首:广]
『聖読庸行』
「論語読みの論語知らず」と言う言葉もあるように、どんなに立派な人が書いた書物でも、読んだだけで身につくものではないと思います。
特に読書の好きな人は、読む事で満足している人がいるのではないかと思います。これは、読書をしない私のやっかみかも知れませんが、言う事は立派な事を言うのに、やっている事とかなり隔たりがあるように思います。
書物は、参考にしたり、自分の生き方を再確認するのには、非常に役立つと思っています。しかし、読んだから自分の物になる事はないと思います。
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1025. [揚][ヨウ][あ-げる][あ-がる][画数:12画][部首:手]
『追手に帆を揚げる』
追手と言うのは追い風の事ですから、当然その時に帆を張ると船は速く進む事になります。
私が友人と、新幹線に二人で乗っている時に、友人は「風が吹かな、あかんねん」と言った事があります。彼はある企業の社長でしたから、その言葉には重みがありました。
何かを成そうとする時には、人の力だけでは事が運ばない事があります。
時には運とも、時代とも、流れとも言いますが、人知を超えたものが、人の努力を後押ししてくれる事があると思います。「人事を尽くして天命を待つ」、そんな事が必要なのかも知れません。
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