中学校で習う漢字三体字典 Part215

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

1071. [][リン][画数:9画][部首:厂]

『会えば五の損がゆく』

 収支で考えれば確かに交際と言うのは、割り勘であっても費用は掛かるものです。
 この諺を作った人は、余程ケチか、視線がお金にしか無い人ではないでしょうか。
 大阪の諺だそうですが、大阪商人は、そんなにケチでも無いと思うのですが。
 「損して得取れ」と言う諺の意味と同じ事を、松下幸之助さんは、発言集に載せられています。
 ただ、他人から見るとケチに見える人が多いのかも。
 また、ついて出る言葉がそんなイメージを持たれるのかも知れません。
 では、この諺、事実ではないかと言うとそうでは無いと思います。確かにお金はかかるものだと思っています。
 しかし、いつも私が言う様に、社会的な動物である人間は、そんな社会を形成して今日に至っています。
 ですから、人から受ける有形無形の価値は、金勘定に乗る物ではないと思っています。

楷書 行書 草書

1072. [][リン][画数:10画][部首:人]

鶴怨げんりんかくえん

 これは、彦倫と言う人は偽善者だ、と言って批判する言葉だそうですが、果たして偽善者と言えるのでしょうか。
 「俗世を離れて鐘山に隠遁していた彦倫が、俗世に戻って県の長官になったことを隠者だと信じていた鶴も騙されたと怨むと、孔稚珪が似非隠者ぶりを批判した言葉から。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】。
 もし、一度隠遁すれば、絶対に世の中に出てはいけないのでしょうか、人間が心変わりしてはいけないと言っているようなものです。良いじゃないですか。ほっといてやれば。
 県の長官に推挙されるくらいですから、それなりの人望や能力がある人だと思います。偽善者とまで言われたら、たまったものではありません。
 この孔稚珪は、道教の神として老子を崇拝していたとの記述がありました。信仰心の強い人であったようなので、彦倫のような生き方を変える人を容認できなかったのかも知れません。

楷書 行書 草書

1073. [][リン][とな-る][となり][画数:16画][部首:阜]

『たくらだ猫の歩き』

 「たくらだ」を知らなければ、この諺も何のことか分かりません。
 辞書によりますと「たくらだ」と言うのは、ジャコウジカに似た獣ですが、転じて「愚か者」「まぬけ」と言う意味で使われる様です。
 ですから、「まぬけな猫の隣歩き」と言う事が出来ます。これでも意味不明ですから、辞書を引くと「まぬけな猫が自分の家のねずみは捕らずに、近所のねずみばかり捕って遊び歩くということから。」【出典:ことわざ辞典ONLINE.】。
 しかし、「紺屋の白袴」や「医者の不養生」などの言葉もあるように、それが仕事であれば、自分の事はさておいて、となると思います。
 それにしても、この「たくらだ」と言う動物、似ているからと言って、ジャコウジカの狩りをしている時に、なぜ飛び出してくるのでしょう。
 問題は、間違って狩りをしてしまう人間にあると思うのですが、「たくらだ」は災難続きですね。

楷書 行書 草書

1074. [][ル][画数:14画][部首:玉]

璃は脆し』

 ダイヤのように強い宝石もありますが、この瑠璃はラピスラズリとも言われているので、硬度が5~5.5ですからカッターで何とか傷をつけられるようです。また金緑石とも言われているので、硬度が8.5、かなり固いようですが、水晶で傷をつける事が出来るようです。
 この諺の意味は、美しいものや優れた物は、傷つきやすく壊れやすいと言う意味で使われる様ですが、それほどやわでは無さそうです。
 そんなイメージの方が、受け入れやすいのかも知れませんが、「美しい薔薇には棘がある」と言う言葉があるように、案外ダイヤのように強いかも知れません。

楷書 行書 草書

1075. [][ルイ][なみだ][画数:10画][部首:水]

『鰐の空

 鰐が涙を流すのを見た事も有りません。ウミガメの涙は聞いたことがありますが、鰐の涙も末梢性顔面神経麻痺の症状として「ワニの涙症候群」と言うのもありますから、あながち根拠の無い事でもなさそうです。
 しかし、この言葉は、嘘の涙の象徴として、言われる言葉だそうです。
 ワニが偽善の象徴として扱われるのも、人間の勝手な思い込みで、別に悲しくて涙を流しながら、生き物を食べている分けでもなく、ただの生理現象だと思います。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の1071.~1075.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【厘】厂部(かんぶ)・がんだれ
  2. 【倫】人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね
  3. 【隣】阜部(ふぶ)・おか・こざとへん
  4. 【瑠】玉部(ぎょくぶ)・たま・たまへん・おうへん
  5. 【涙】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず

 ・・・・つづく。

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