今日の文字は『慈悲』です。書体は行書です。今日読んで見ようと思う、『徒然草 第百二十八段』を読んで見て、感じた文字です。
原文
現代文を見る
慈悲
★『電車内・飲食店でキレる老人の暴走脳みそ』
(PRESIDENT Online 片田 珠美 2018/11/27 09:15)
「11月11日、71歳の無職男性が女性を刺し、翌日強盗殺人未遂容疑で逮捕された。精神科医の片田珠美氏は「容疑者は脳梗塞の影響で、感情や衝動を抑制できなくなる『脱抑制』だった可能性がある。脱抑制は、認知症や脳の老化でも起きる。電車内や飲食店でキレる老人や、ライブをドタキャンした歌手の沢田研二さんもこの疑いがある」と指摘する――。
—–中略—–
「脱抑制」の可能性
まず考えられるのは、近江容疑者が数年前に脳梗塞を患った影響で、感情や衝動を抑制できなくなる「脱抑制」に陥っていた可能性である。脳梗塞になると、脳の血管が詰まってその先の組織に酸素や栄養が届かず、脳神経細胞が死んでしまう。そのせいで感情や衝動を抑制できなくなるのだ。
—–中略—–
前頭側頭型認知症で万引きや盗み食いなどの反社会的行動
「脱抑制」は認知症でも起こるケースがある
脳梗塞で脳の血管が詰まり、脳神経細胞が死ぬと、認知症になることもある。このタイプの認知症は血管性認知症と呼ばれる。血管性認知症は、脳梗塞だけでなく、脳の血管が破れる脳出血によっても引き起こされる。
—–中略—–
認知症になると怒りっぽくなる
前頭側頭型認知症に限らず、認知症になると怒りっぽくなることが少なくない。これは、主に2つの理由によると考えられる。まず、記憶障害のせいで大切な物をなくしたり、道に迷ったりすることが増え、不安になる。そのうえ、病識がないので、そういう自分をなかなか受け入れられず、イライラして怒りっぽくなる。
—–中略—–
ライブをドタキャンした歌手の沢田研二さんも「脱抑制」か
病気でなくても「脱抑制」は起こりうる
これまで取り上げたのは、れっきとした病気だが、必ずしも病気でなくても「脱抑制」は起こりうる。加齢によって脳の機能が低下するにつれて、感情や衝動を抑制するのが難しくなるからだ。もっとも、頭部MRI検査を受けても、ほとんどの場合異常は認められない。
—–中略—–
老い先短いのだから我慢なんかしたくない
こうした変化を引き起こすのは、「脱抑制」だけでない。定年退職による喪失感や孤独感も大きな影響を与えると考えられる。そして、何よりも無視できないのが、「老い先短いのだから我慢なんかしたくない」という気持ちである。
沢田さんは、記者会見で「僕の音楽人生にとってはもう後がない」と話した。この「もう後がない」という思いこそ、「我慢なんかしたくない」という気持ちに拍車をかける。しかも、年を取るにつれて強くなる。
脳梗塞や脳出血、あるいは認知症はひとごとと思っている読者の方も、加齢による「脱抑制」からは逃げられない。また、高齢になるほど「老い先短いのだから我慢なんかしたくない」という気持ちも強くなる。それを肝に銘じ、「暴走老人」にならぬよう今から気をつけるべきである。」
この徒然草を読んでいて、釈然としない気持ちになり、少しイライラする事があります。しかし、これはあくまでも、自分の知識や教養の無さからくるものだと、理解しています。
その他の日ごろを考えると、若い頃よりむしろ、気が長くなったように思います。若い頃は、どちらかと言うと、手の方が早かったと思います。
しかし、高齢者の問題は、これからも、この記事を書いている人も、いずれ訪れるのですから、この記事は心に留めておくべきかも知れません。
別に怒っている分けではないのですが、言論の自由、表現の自由と言っても、この私と同年代の歌手の名前をだして、「脱抑制」と言っても良いのでしょうか、確かに「脱抑制」は病気とは言っていません。しかし、犯罪者と同列に扱うような書き方に感じるのですが、やはり私の文章の読み方に問題があるのでしょうか。
お医者さんは、患者を診察して「脱抑制」と診断するならともかく、なんだか釈然としません。もちろん、診断して言うなら、守秘義務の観点からも言ってはいけないのでしょうが。
さぁ、今日も一日元気で過ごしましょう。
徒然草 第百二十八段 〔原文〕
雅房大納言は、才賢く、善き人にて、大將にもなさばやと思しける頃、院の近習なる人、「只今、淺ましき事を見侍りつ」と申されければ、「何事ぞ」と問はせ給ひけるに、「雅房卿、鷹に飼はんとて、生きたる犬の足を切り侍りつるを、中垣の穴より見侍りつ」と申されけるに、うとましく、にくくおぼしめして、日ごろの御氣色も違ひ、昇進もしたまはざりけり。さばかりの人、鷹を持たれたりけるは思はずなれど、犬の足は跡なき事なり。虚言は不便なれども、かゝる事を聞かせ給ひて、にくませ給ひける君の御心は、いと尊きことなり。
大かた生けるものを殺し、痛め、闘はしめて遊び樂しまん人は、畜生殘害の類なり。萬の鳥獸、小さき蟲までも、心をとめてありさまを見るに、子を思ひ、親をなつかしくし、夫婦を伴ひ、妬み、怒り、慾おほく、身を愛し、命を惜しめる事、偏に愚癡なる故に、人よりも勝りて甚だし。彼に苦しみを與へ、命を奪はん事、いかでか痛ましからざらん。
すべて一切の有情を見て慈悲の心なからむは、人倫にあらず。