文武両道のために・・・・『徒然草』を読んで見る。【162】

 今日の文字は『さかり』です。書体は行書です。今日読んで見ようと思う、『徒然草 第百六十一段』を読んで見て、感じた文字です。

原文 現代文を見る

 

★『TPP発効、5億人経済圏誕生 貿易拡大へ関税95%超撤廃』
(共同通信社 2018/12/30 00:16)

「日本を含む11カ国が参加する環太平洋連携協定(TPP)が30日発効した。世界の国内総生産(GDP)の13%を占め、域内人口が5億人を超える新たな経済圏が誕生。米中がお互いの通商政策を批判して追加関税の応酬を繰り広げるなど保護主義が拡大する中、対抗軸となる自由貿易圏を目指す。将来的に域内の農産物や工業品の95%超の品目で関税を撤廃する。来年2月には欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)も発効し、日本の通商戦略は新たな局面を迎える。

 TPP発効は日本にとって工業品輸出に追い風となり、食品の値下がりも期待できる。だが安い農産物の流入は国内農業に試練となる。」

 これで、全てにおいてアメリカに追随しなければならない日本が、少しは自立出来るのでしょうか。

 私は、敗戦国だから仕方がないと思ってこれまで来ましたが、世の中が変わりそろそろ、敗戦国と言う考え方から脱皮しても良い時期に来たのかも知れないと思うようになりました。

 一方で、なんでもアメリカの言うままと、非難して来た人達に対して一言。もし相手が自由の国、アメリカと言う国では無かったら、日本はどうなっていたのでしょう。

 日本の文化と言うものが希薄になっていくのは、考えものですが、経済的に裕福になって行けたのは、アメリカのお陰と思っています。もちろん日本人が勤勉な国であった事は否めません。

 戦後日本が憲法に支えられていたから、戦争に巻き込まれなかったと、本気で考えている人にも一言。アメリカと言う存在なくしては、実現できていないと思います。

 日本人らしく、この70数年の恩恵を感謝し、友好国としての振る舞いを忘れないようにしたいものです。

 さぁ、今日も一日元気で過ごしましょう。

 
徒然草 第百六十一段 〔原文〕

 花の盛りは、冬至より百五十日とも、時正じしゃうの後、七日ともいへど、立春より七十五日、おほやう違はず。

 

『現代文』

『花の盛りは、冬至から150日とも、時正じしゃうの後、7日ともいうが、立春から75日と考えると、だいたい間違いはない。』

【参照】
時正じしゃう 昼と夜の長さが等しくなる日。陰暦二月の春分と八月の秋分。
(出典:学研全訳古語辞典 学研.)

 

『盛』

 この段、だから何? と思ったのですが、さて、何の花でしょうか。春は桜でしょうか。秋は萩の花が咲くのでしょう。

 ここでは、冬至から150日、立春から75日と書いてありますから、時正じしゃうと言うのは、春分の事を言っているのでないかと判断しました。

 この話は京都を中心に話されていると思いますが、ちなみに、今年の京都の桜の開花は、3月22日、満開は3月28日だったそうです。

 今年の春分の日は、3月21日でしたから、満開の日は丁度春分の日から7日目でした。

 すごいですね、当たりです。しかし昨年は3月31日、そして満開が4月7日でしたから、今年はまぐれかも知れません。

 しかし、立春から75日とすると、少し違います。立春は2月4日ごろですから、75日を足すと、2月が28日として、3月が31日ですから、28-4は24です。75-24は51、そして51-31は20です。そうすると、4月20日になります。

 そして、冬至から150日なら、5月21日になります。冬至を12月22日とした場合です。

 この計算は太陽暦を基準にしましたが、確かに陰暦では大体1ヵ月程度ズレますから、春分の日は2月の中旬から後になると思います。しかし、季節は2月と言っても、今の春分の日と変わりがないので、花の咲く時期としては、問題ないでしょう。

 であれば、この文章は、『花の盛りは、5月の終わりとか3月の終わりと言うが、立春から75日目の4月20日頃で間違いない』と読めます。

 と言う事は、当時は、花の盛りについて、3月の終盤説と5月の終盤説があったと考えられます。しかし、吉田兼好が言ったと思われますが、立春から75日目の4月の後半で間違いはないと、一つの説を言ったと思われます。

 現在でも、この花を桜と考えれば、遅咲き、早咲き、狂い咲きと、その年の気象の変化により、随分変わりますから、『間違いはない』とは言い切れないと思います。