文武両道のために・・・・『徒然草』を読んで見る。【203】

 今日の文字は『神無月かんなづき』です。書体は草書です。今日読んで見ようと思う、『徒然草 第二百二段』を読んで見て、感じた文字です。

原文 現代文を見る 神無月

 

☆『池江、東京へ前向く 「治療して、さらに強くなる」』
(株式会社 産経デジタル 2019/02/13 00:37)

【「東京」へ向け、順調にトレーニングを積んでいた池江を突然の病が襲った。昨年末の産経新聞の取材に、「自分の限界を超える」と誓った18歳は、思いもしなかった“ハードル”の出現にもしっかりと前を向いた。「治療に専念し、一日でも早く、さらに強くなった姿を見せられるよう頑張っていきたい」-。
—–中略—–
 しかし、今後は治療に専念する。4月の日本選手権を断念するため、五輪代表選考を兼ねる7月の世界選手権(韓国)にも出場はできない。これまでの例からすると、来年4月の日本選手権で標準記録を突破し、2位以内に入ることが五輪代表入りの条件。日本水連は「特別な猶予は考えていない。(標準)タイムを切ることと順位が求められる」と明言する。

 元競泳選手で、都内の病院に勤務する血液内科医の男性医師(48)は「白血病の種類にもよるが、一般的に(治るまでに)最短でも7~9カ月かかる。治療中は絶対に運動ができないため、筋力も著しく低下する」と指摘。世界最高レベルの技術を持つ池江にとって、五輪に向けて一層の筋力アップが課題だっただけに影響は多大だ。

 それでも、わずか3年で個人5種目の日本記録を計29度も更新した天才スイマー。困難を克服し、笑顔でスタート台に立つ日を信じている。(西沢綾里)】

 もう、誰もが知っていると思います。競泳の池江璃花子さんが白血病になったニュースです。目の前が真っ暗な状態になったと思います。僅か1時間経つか経たないうちに、前向きに自分を見つめる事が出来る人は、そうざらにいる分けではないと思います。

 ただただ、記録もさることながら、人間として尊敬できる人です。そして、何ヵ月、いや何年かかっても、必ず、朗報を聞く事が出来ると信じています。そして、元気になって下さい。
 
 さぁ、今日も一日元気で過ごしましょう。

 
徒然草 第二百二段 〔原文〕

  十月を神無月と云ひて、神事に憚るべき由は、記したるものなし。本文も見えず。たゞし、當月、諸社の祭なきゆゑに、この名あるか。

 この月、萬の神たち、太神宮へ集り給ふなどいふ説あれども、その本説なし。さる事ならば、伊勢にはとくに祭月とすべきに、その例もなし。十月、諸社の行幸、その例も多し。但し多くは不吉の例なり。

 

『現代文』

『十月を神無月と言って、神事を遠慮するいわれについて書かれているものはない。古書などにあって、典拠となる文句もない。ただし、この月にどの神社も祭りがないので、この名があるのか。

 この月は、よろずの神々が、大神宮へ集まられるという説があるが、その根拠はない。そういう事ならば、伊勢では特に祭りの月とすべきであるが、その習わしもない。十月は、諸々の神社に行幸される前例も多い。ただ、その多くは不吉の場合である。』

 

 

『神無月』

 現在に伝わっているのは、俗説かも知れませんが、神無月には伊勢神宮ではなく、出雲大社に神々が集まり、他の神社では神様が不在であると思っていました。

 兼好法師がなぜ、伊勢神宮と言ったのか分かりませんが、これも根拠のない事だと思います。

 神無月に対する由来は諸説があり、いずれが正しいのかも定かではないようです。ちなみに、「雷無月かみなしづき」、「醸成月かみなしづき」から「神無月」になったと言うのも一つの説に過ぎません。逆に島根県では「神有月かみありづき」あるいは「神在月かみありづき」として神事が行われるようです。

 ちなみに、俗説に俗説を重ねていますので、何とも言いようがありませんが、神無月に出雲大社に行く神様は、限られていて、留守を守る神様もいるようです。多くは恵比須様だそうですが、伊勢神宮の神様も天津神なので、出雲には行かないようです。出雲に行く神様は、国津神、すなわち土着の神様だけだそうです。(参考:日本文化研究ブログ)

 兼好法師は、この話しをどういう機会に誰に聞いたのでしょう。『但し多くは不吉の例なり』と言うのは、その例を示してもらいたかったですね。なにか、不吉な前兆があって、厄払いの為に行幸されたものと思われますが、その行幸の主も定かではありません。