中学校で習う漢字三体字典 Part96

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

476. [][ショウ][よい][画数:10画][部首:宀]

々の 花火になれて 音をのみ』

 俳句と言うのはどんな風に感じても良いのでしょう。と、俳句の「は」の字も分からない私が言っても説得力に欠けます。この句は、高濱虚子が詠んだ句です。
 一日で終わる花火もありますが、数日続く花火もあります。この句は宵々と書かれていますから、毎晩打ち上げられたのでしょう。
 この句を目ではなく、耳で楽しむ、粋な花火通を評価している人もいます。
 しかし、毎晩続く花火に慣れて、耳だけで聞こえてくる様子を描写したものとも取れます。
 いずれにしても花火は一瞬の美しさと、後に残る寂しさが日本人に合うのかも知れません。

楷書 行書 草書

477. [][ショウ][画数:10画][部首:疒]

下薬たいしょうかやく

 対処療法とは、一味違う治療の仕方ですが、何も病気だけに限った事でもないと思います。
 問題点に合わせた方法で処置をするのですから、何事にも当てはまるのではないでしょうか。
 例えば仕事の面でも、問題を見付ける事が一番の問題解決になります。KJ法などを見ても明らかです。
 空手道でも同じ事が言えます。どこが悪いのか判る場合は、集中的にその部分を練習すればよいのですが、ある程度修練を積むと、なかなか悪い所が浮き彫りにされません。
 ですから、感覚的に良くないとしか感じないのです。そんな場合は、その感覚を頼りに、悪い所を浮き彫りにして、対処する必要があります。
 何事もポイントを押さえていないと、努力も無駄になる場合が多いですね。

楷書 行書 草書

478. [][ショウ][画数:10画][部首:示]

佳兵不かへいふしょう

 戦争はまず良い事は無いと思います。私達普通に生活している者にとっては。
 ただ一部の人に取っては、膨大な利益を得るチャンスと考え、戦争を起こそうと手ぐすね引いている人も中にいるのでしょう。ですから、今のところ永遠に無くならないと思えるのです。
 しかし、これは経済を優先するがために起こる現象です。人の欲の中でも、人よりも優位に立ちたい、人よりも裕福になりたい、と考える人が大多数です。
 特に権力を揮える人にとっては、もっと、と欲望が際限なく広がります。
 理由なんていくらでも作れます。民衆を扇動するための理由を幾らでも並べ立てます。自分たちの為に。
 この言葉は、戦争を批判する言葉ですが、佳兵は、優れた武器、すなわち人殺しの道具を言いますが、元は強い兵隊の事、則ち権力者の思うままに扱える人々の事ではないでしょうか。

楷書 行書 草書

479. [][ショウ][画数:10画][部首:禾]

之息ばいしょうのそく

 昔から高利貸しと言うのはいたのですね。現在で言うと闇金というやつです。
 この場合は、借りたお金の倍が返済金になりますが、現在の闇金は、倍どころではないですね。
 利息が利息を生みトンデモナイ金額を返済する事になるようです。ドラマでは。
 また、過払い金請求と言う、夢のような話もコマーシャルで流れていますが、これも、リスクやデメリットがあるようです。
 現在借金している人は、信用のある人に相談するべきだと思います。

楷書 行書 草書

480. [][ショウ][画数:11画][部首:水]

『内政干

 「他国が、ある国の内政問題に強制的に介入し、主権を侵害すること。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】。
 多分中学生くらいで習うと思いますが、この事には「国家は国際法に反しない限り」と但し書きが付くようです。
 現在でも内政干渉なのか、国際法ぎりぎりなのか分かりませんが、国の持つ影響力、経済力、軍事力を背景に干渉と思えるような働きかけをしているように思うのですが、結局は力の関係ですから、ちょっとこじれると戦争にまで発展する可能性は否めないような気がします。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の476.~480.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【宵】宀部(べんぶ)・うかんむり
  2. 【症】疒部(だくぶ)・やまいだれ
  3. 【祥】示部(しぶ)・しめす・しめすへん・ねへん
  4. 【称】禾部(かぶ)・いね・いねへん・のぎ・のぎへん
  5. 【渉】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず

 ・・・・つづく。