お習字から書道へ Section 36

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 昨日は朝から地震騒動で大変な一日でした。まだ余震が心配だと思います。
 今朝も少し余震がありました。 気を付けて下さい。

 マンション暮らしですが、部屋の中は何事も無かったのですが、夕方外に出て、このマンションにも少なからず被害があったようです。
 隣の棟との境に、「頭上注意」と張り紙とロープが張られていました。

 今朝も文字を選んで書く事にします。

 この文字を選ぶときには、『楷行草筆順・字体字典』から、上手く書けそうな文字と、難しそうだな、と思う文字の二種類の文字を選ぶようにしています。

 前回は、「きへん」「のぎへん」「こめへん」を取り上げました。
 文字は、「村」「柱」「桟」、「私」「秋」「稲」、「粉」「粗」「精」を楷書で、「秋」「稲」「紛」を書写体で書きました。

 今回は、「のごめへん」「すきへん」「たくみへん」を取り上げました。
 文字は、「釈」、「耕」「耗」、「左」「差」「巧」を楷書で、「釈」「左」「差」を書写体で書きました。
 


 
 「釈」は、楷書と書写体で書いていますが、書写体の方は「沢」の時と同じで、「幸」の文字が横画一本多い事が特徴です。

 この「釈」の書写体は、この他に五種類が『楷行草筆順・字体字典』には掲載されています。

 「耕」と「耗」には、書写体が載っていません。「耕」の文字は、縦画が並んでいて、難しい文字です。まだ、「耗」の方が「毛」で文字としての調整は取れるように思いました。

 


 
 「たくみへん」と東京書道教育会では記載がありますが、(え・たくみ・たくみへん・こう)と記載のあるものもあります。

 「巧」を書く時に注意したのは、偏より旁の方が縦を長く書き、収筆ではねる部分で、偏とのバランスを取るようにしました。

 「左」で注意したのは、一画目の横画を短くする事と、二画目の起筆と三画目の収筆、そして五画目の収筆が斜めに揃うようにし、二画目の左払いと三角形をイメージして書くようにしています。

 書写体の「左」も同じようにして、三角形をイメージすると、バランスが取れると思いました。
 


 
 「差」は少し二画目の点が上になり過ぎたように思います。この文字も注意した点は、横画の収筆の並びに注意して、左払いとのバランスを取るようにしています。

 書写体の「差」も同じ部分を注意しました。

 この文字の上の点の打ち方については、「結構八十四法」にも書き方の方法が記載されています。次回の『一口メモ』で説明したいと思っています。名称は『曽頭』と言います。

 

 

 一口メモ 

  前回からの続きで、『はじめての書道楷書』(関根薫園著)で、中国の李淳と言う人の手による「結構八十四法」と言う文字の組み合わせ方を説明していきたいと思います。

 今日は第十回目です。取り上げるのは、「縦戈じゅうか」「横戈おうか」「屈脚くつきゃく」「承上しょうじょう」の4つです。

 「縦戈じゅうか」と言うのは、東京書道教育会では、右の「そり」と「はね」の事ですが、『はじめての書道楷書』では、「右はね」として説明があります。ここで取り上げられている文字「成」の四画目にあたります。この説明では、『筆を突き上げて、斜め右下に、まるみをつけて運び、外に向かってはねる。中間で力が抜けないように、十分に気力を込めて書くこと。』となっています。

 「横戈おうか」の文字は「恩」を取り上げて説明があります。この説明から、下の部分「心」の二画目と「縦戈じゅうか」を詰めて書くように指示があります。そして、はねる方向は、二つの点の間となっています。「憲」も下に「心」がありますが、この場合は、上の文字の右下の角を目指してはねるようにしてます。ですから、「恩」の場合も上の文字の右下の角を目指して、点はそのはねの収筆を中心にして、左右に打てば良いと思います。
 ただし、これは、単なる距離ではなく、イメージとして考える方が良いと思っています。

 「屈脚くつきゃく」と言うのは、「馬」を例に上げての説明ですが、この「馬」の四つの点は、「れっか」あるいは「れんが」と言われる四つの点とは、少し違った様子で点を打ちます。大切なのは、右側からこの曲がりの起筆に向かってはねる部分と、点との位置関係です。四つの点の内、初めの二つは、このはねの外側に、そして、三番目と四番目の点は、このはねの内側に入るようにします。
 ただし、文字を観察する限りでは、三番目の点は、はねと起筆との線上の近くになります。

 「承上しょうじょう」文字は「父」をあげています。上の「ハ」を受けて左右の払いがありますが、この交点を文字の中心にすることでバランスが取れると説明があります。これも、「ハ」の間が中心ではなく、文字全体の中心と言う意味です。

 

【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.

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