お習字から書道へ Section 50

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 空手の場合は、遥昔を思い出すと、習うと言うより、何の疑問もなく吸収する事で頭がいっぱいで、矛盾点も分からないまま、時が過ぎ去ったように思います。

 大阪に道場を開くように、佐々木武先生から言われ、人を教える立場になって初めて、技術の疑問や教える事の難しさ、矛盾点が毎日のように頭を過るようになりました。

 今回は、70歳を過ぎてからの習い事ですから、ある程度、空手を始めた7、8歳の頃よりは、視野が広がっていますし、世の中の事も少しは分かるような年齢です。

 習い事で一番大切な事は、「瀉瓶」であることは、十二分に解ってはいますが、それでも矛盾点があると疑問に感じます。

 毎日がこの釈然としない気持ちとの戦いです。これが「守破離」の「守」なのでしょう。

 今、正師範を目の前にして、本来は自信たっぷりに「書道」を語らなければならないのでしょうが、私はこれから勉強していかなくてはなりません。

 本当に、一生勉強とは、良く言ったものだと思います。

 昨日、注文していた、『毛筆書写字典』(續木湖山編著)が届きました。中古品ですが、十分役立ちそうです。これなら、東京書道教育会の課題を書くのに苦労して手本を探さずに済みそうです。と言っても、もうこの本を利用する課題は出てこないのですが。それでも頭の整理には役立ちそうです。小学生が習う996文字が収録されているようですが、新版だと常用漢字が載っいるのだと良いのですが。

 さて、今朝も文字を選んで書く事にします。

 この文字を選ぶときには、『楷行草筆順・字体字典』から、上手く書けそうな文字と、難しそうだな、と思う文字の二種類の文字を選ぶようにしています。

 前回は、「幻」「幼」「幾」、「級」「素」「絵」、を楷書で、「幼」「素」「絵」を書写体で書きました。
 今回は、「うまへん」「うおへん」「はへん」を取り上げました。
 文字は、「駅」「験」「驚」、「鮮」「鯨」、「齢」、を楷書で、「駅」「験」「驚」「鯨」「齢」を書写体で書きました。
 

 「うまへん」でのポイントは、なんといっても、右下にある、四つの点の打ち方にあると思います。

 この点の打ち方は、江守賢治先生特有のものだと思います。

 私が調べた範囲では、それぞれ一流の先生方の点の打ち方には違いがあり、個性なのでしょう。

 しかし、この文字を書いて、東京書道教育会の課題を書けば、まず不合格で、こと細かく添削されると想像します。
 

 「験」の旁も独特な空白の取り方だと思います。私の間隔では、すこし旁の「ひとやね」の下が空き過ぎているようにも見えます。これも個性と呼べる感覚なのだと思います。

 


 「驚」は、かなり画数も多く難しい文字ですが、文字としてのバランスは取りやすいと感じました。

 

 
 「うおへん」にも、四つの点があります。やはり同じような点の打ち方に手本はなっていると、私の感覚では捉えました。

 これも、先生によって、それぞれの書き方があるようです。

 

  
 私が偏で注意したところは、一画目の左に払う点の角度です。二画目とのバランスで平行にならないように開きました。

 楷書の「京」は、こういう言葉はあまり好みませんが、爽やかな字になったと思います。
 私は、自分だけが感じる抽象的な言葉を使う事は、できるだけ避けたいと思っています。なぜなら、あまりにも主観が過ぎて、聞いている方からすると、「けむに巻かれた」ように感じてしまうからです。

 

 「はへん」を書くポイントは、一画一画をごまかさずにキッチリ書く事だと思います。普通の文章などを書く時は、画数の多い文字になると、つい端折ってしまいがちです。前回の東京書道教育会の理論課題の解答で指摘を受けたように、一画一画キッチリ書くように習慣付けたいと思っています。

 

   

 一口メモ 

 「書道技法講座〈楷書〉九成宮醴泉銘」(余雪曼著)が、「結体三十六法」と「結構八十四法」を基に九成宮碑文の特殊な結構を参酌して四十四に書き表したものを紹介します。
 今回は、その2回目です。
 【ここで書いてある文字は、九成宮醴泉銘を私が臨書したものです。赤い線は。『書道技法講座〈楷書〉九成宮醴泉銘』を参考に入れています。】
(4) 上寛下窄法
 これは、上蓋下法とほぼ同じ字の形ですが、上蓋下法は、下の部分を蓋をするように覆う場合を想定しています。この場合は、上が「寛」ですから、広々としている様を表した部分です。ですが、若干線を細くして幅広にします。
 下は「窄」ですから、狭く書きますが、その分線を太くする方法です。
 

  
(5) 上窄下寛法
 「下載上法」は、下の横画に上の全てを載せる方法ですが、上窄下寛法は、形は同じように見えますが、部分を上と下に分けて、上は狭く書き、その分やや太めにします。

 そして、下の部分は、幅広に書く分やや細めに書いて上との調和を取ります。

【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.
・余雪曼(1968-1990)『書道技法講座〈楷書〉九成宮醴泉銘』株式会社二玄社.
・續木湖山(1970)『毛筆書写字典』教育出版株式会社.

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