学校で習う漢字三体字典【小学六年生編】Part185

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 小学校六年生で習う、191字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 小学校で習う漢字を書いてきました。これまで、續木 湖山先生が編集の毛筆書写事典を手本にして書きましたが、今は江守賢治先生が編集された楷行草、筆順・字体字典を手本に書いています。

 理由は見やすさもありますが、五年生までは学年に応じた書体を書かれたと言う事で使わせてもらいました、江守賢治先生の場合は、より書道的な字体に編集されていると思いましたので、そろそろ大人の字体が良いと思い変更しました。

 例えば、今までの「きへん」は、縦の棒(2画目)は最後止めて書いていましたが、従来の楷書の書き方は撥ねるのが一般的だと説明されていますので、その書き方に準じています。

86. [][ショ][画数:13画][部首:罒]

名捺印』

 契約書など、後に禍根を残さないために、判子を押すのが通例だと思います。しかし、その判子も三文判と呼ばれる物から、高価な材料で作った物まで様々です。
 判子を押す時には、名前を書くのが常識になっていますが、これもゴム印の場合、あるいは印刷文字と自筆で書く場合があります。
 署名と言うのは自筆で手書きで書く事を言います。記名の場合は、自筆の手書き以外のゴム印であったり印刷文字、あるいは代筆などの時に使います。
 また、署名の場合は捺印、記名の場合は押印とその呼び名が変わるのが一般的で、捺印と言う場合は、署名捺印、押印と言う場合は記名押印を省略して言う場合もあります。
 ただ、印鑑は、三文判であろうと象牙などで彫った高価な品物でも効力に変わりはありません。
 実印はより証拠を確実にするために押しますが、これは役所に印鑑届をしたもので、印鑑証明書を取る事ができ、本人が確かに本人の意図で押印した事を示すために使います。
 不動産の仕事に就いていた事と、総務の仕事をしていた関係で、意外とこの事には知識があります。

楷書 行書 草書

87. [][ショ][画数:15画][部首:言]

刃のつるぎ

 この言葉の意味は、相手を傷つける事ができるが、自分にも傷つく恐れがある場合に使います。
 実際は世界を見渡しても、片刃の刀は日本特有の物ではないかと思えます。引いて斬るので反りもあります。
 この両刃の場合は、引いて斬るより叩き切るような使い方をします。そして重く頑丈に造られています。
 ただ、この言葉のように、法律も使い方次第で、折角振るった法律の為に、自分にも被害が及ぶ場合もありますから、よほど法律に長けていないと持ち出してはいけないと思っています。

楷書 行書 草書

88. [][ジョ][ ジ][のぞ-く][画数:10画][部首:阝]

夜の鐘』

 大体の人はご存知だと思いますが、念のため何を除くのか、書いて置きたいと思います。
 一年の最後に人間の煩悩を除き、新しい年を新たな気持ちで迎えようと言う儀式であると思って良いかと思います。
 では、この鐘を108回つくのはどういう訳なんでしょう。ある人は、四苦八苦、則ち四×九=36、八×九=72を足すと丁度108になると言う説を言う人もいるようですが、なるほど、と思いますが諸説の一つに過ぎません。
 私が知る限りでは、煩悩は総まとめにして、貪瞋痴とんじんちの三つに纏められています。この三つ以外にも色々な言い方がされていますが、108の場合は多くの、と言う意味で言われたのでしょう。

楷書 行書 草書

89. [][ショウ][うけたまわ-る][画数:8画][部首:手]

『起転結』

 これは文章を書く流れの一つとして、私も長い文章を書く場合には、意識しています。三段論法もその一つですが、私はあまり好ましく無いと、勝手に思っています。
 私の個人的な『起承転結』の並べ方を紹介しましょう。起では、なぜこの文章を書きだすのかを書きます。その書き出しにその文章全体の情報を容れます。初めに知っておいた方が理解しやすいと思う事です。
 そして、承では、本文に繋がるいわゆる導入部分でイメージを作ります。転は、この文章で言いたい事などを実際の出来事などを交えて展開していきます。
 結は、結論ですが、転で書いたことを総まとめにして、今後の対処の方法や、自分の決心、あるいは決意を述べると、文章がまとまり易いと思います。
 私はこのように長い文章の時に意識しますが、実はこの『起承転結』、中国の漢詩の「絶句」といわれている、短い漢詩を詠むときの作法だったようです。

楷書 行書 草書

90. [][ショウ][画数:10画][部首:寸]

『一功なりて万骨枯る』

 確かに功績を遺した人は、その人だけ偉いのではなく、その人を支えた人達の努力と献身が支えとなったと思います。
 例えば東京スカイツリーなどは、日本放送協会(NHK)と在京民間テレビ局5社(日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京)の求めに応じて、東武タワースカイツリー株式会社が建てたものだと思います。
 しかし、実際には土地の買収などに関わった人達や、住民への説明、あるいは広告、そして建築会社で働く一人一人の努力が結集して建てられたと思います。しかし、その一人一人は『万骨枯る』のように名前を遺す事はないと思います。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いています。初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学六年生の文字の86.~90.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【署】・网部(もうぶ)・あみめ・あみがしら・よんがしら
  2. 【諸】・言部(げんぶ)・ことば・ゲン・ごんべん
  3. 【除】・阜部(ふぶ)・おか・こざとへん
  4. 【承】・手部(しゅぶ)・て・てへん
  5. 【将】・寸部(すんぶ)・スン

 ・・・・つづく。

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