学校で習う漢字三体字典【小学六年生編】Part189

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 小学校六年生で習う、191字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 小学校で習う漢字を書いてきました。これまで、續木 湖山先生が編集の毛筆書写事典を手本にして書きましたが、今は江守賢治先生が編集された楷行草、筆順・字体字典を手本に書いています。

 理由は見やすさもありますが、五年生までは学年に応じた書体を書かれたと言う事で使わせてもらいました、江守賢治先生の場合は、より書道的な字体に編集されていると思いましたので、そろそろ大人の字体が良いと思い変更しました。

 例えば、今までの「きへん」は、縦の棒(2画目)は最後止めて書いていましたが、従来の楷書の書き方は撥ねるのが一般的だと説明されていますので、その書き方に準じています。

106. [][セン][あら-う][画数:9画][部首:氵]

心』

 この言葉を知ったのは高校生の頃でした。高野山で座禅をしている時にお坊さんから聞いたと思います。
 座禅をする事によって、自らを観察し悪い部分を取り除くと言う意味に捉えていました。
 茶道でも同じ言葉が使われるそうです。
 もともとは、『易経』に「聖人は此を以て心を洗う」言葉があり、「洗心」と言う言葉で広がったのかも知れません。
 言葉は時として、その言葉から受けるイメージだけで感情が伝わる場合がありますが、なんだか心が洗われるような気持ちになったと思います。若かったからかも知れません。

楷書 行書 草書

107. [][セン][そ-める][そ-まる][し-みる][し-み][画数:9画][部首:木]

『知らぬ仏より馴みの鬼』

 なぜこんな諺が出来たのか、頭を傾げますが、懇意にしている人の方が、疎遠にしている人より頼りになると言う意味で使われる様です。
 まだ「遠くの親戚より近くの他人」と言う諺の方が納得できます。
 もちろん疎遠にしている人が仏のように立派な人で、懇意にしている人が鬼と言うのですが、鬼のような人を頼りにするとも思えません。餌食にされそうです。

楷書 行書 草書

108. [][セン][ぜに][画数:14画][部首:金]

『盗人に追い

 「ぬすびと」と言うんですね。私は「ぬすっと」と思っていましたが、辞書には「ぬすびと」と書いてあります。
 何だか、語呂が良くありませんが、今後はそのように覚えておきましょう。しかし、こんな言葉を使うような事があってはいけません。
 盗人ならそんな事も無いとは思いますが、賭け事などでは、知らない間に深みに嵌ってしまう事もありそうです。
 賭博にはそんな要素が潜んでいて、病気のように借金してまでつぎ込む人もいるようです。

楷書 行書 草書

109. [][ゼン][よ-い][画数:12画][部首:口]

人なおもて往生をいわんや悪人をや』

 「歎異抄」に出てくる一文です。親鸞聖人の言葉として書かれた書き物ですが、実際の著者は不明との事。
 さて、この文章、考えたら当たり前だと思いますが、往生の言葉の取り方で違うのでしょう。
 往生を死とイメージすれば、善人であろうと悪人であろうと死ぬときは死ぬのが自然の摂理だと思うのですが。
 しかし、ここで書かれてある「往生」は、一般の社会で解釈されている意味とは、少し違うような気がします。仏教の言葉を理解する事が出発点になりそうです。
 そして、この文章を理解するためには、まず阿弥陀仏の本願とは何かを知る必要がありそうです。
 余りにも仏教的で、私のような者が勝手な解釈をしない方が良いと思います。
 私もこの「歎異抄」の本を持っていますが、是非ご自分で一読されたら如何でしょう。
 ちなみに、「無人島に1冊の本を持っていくとしたら『歎異抄』だ」(作家・司馬遼太郎氏)、あるいは哲学者で有名な西田幾多郎氏が「いっさいの書物を焼失しても『歎異抄』が残れば我慢できる」とまで称賛しているのですから。

楷書 行書 草書

110. [][ソウ][かな-でる][画数:9画][部首:大]

功』

 普通に使う言葉としては、「功を奏する」の方が馴染みがあります。要するに良い結果がでる、あるいは成功、成就すると言った意味です。
 なぜ奏するかと言うと、奏と言う文字は、「天皇・上皇に申し上げること。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】とありますから、功績を報告すると言う意味になると思います。
 現在では、特に誰かに報告するだけではなく、功績を上げる事を客観的に表す言葉になったようです。
 私は、ただ成功するだけではなく、作戦や計画、あるいは実践した事が、うまく当てはまり、効果てき面だった時に使う言葉だと思っていました。辞書でもそんな意味に解釈し、「効果を現わす」【出典:デジタル大辞泉 小学館.】、と書いてあるものもあります。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いています。初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学六年生の文字の106.~110.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【洗】・水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  2. 【染】・木部(もくぶ)・き・きへん
  3. 【銭】・金部(きんぶ)・かね・かねへん
  4. 【善】・口部(こうぶ)・くち・くちへん
  5. 【奏】・大部(だいぶ)・ダイ・だいかんむり・だいかしら

 ・・・・つづく。

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