中学校で習う漢字三体字典 Part102

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

506. [醸][ジョウ][かも-す][画数:20画][部首:酉]

『物議を醸す』

 「文化庁が発表した平成23年度「国語に関する世論調査」では、「世間の人々の議論を引き起こすこと」を表現するとき、本来の言い方とされる「物議を醸す」を使う人が58.0パーセント、本来の言い方ではない「物議を呼ぶ」を使う人が21.7パーセントという結果が出ている。」【出典:デジタル大辞泉 小学館.】。
 ということで、こちらの方が正解だそうです。
 呼ぶと醸す、では少しニュアンスが違います。呼ぶと言うのは、この場合議論を呼びかける、という積極的な意味合いがあると思うのですが、醸すの場合は、それとなく雰囲気をつくり、議論に発展させるのではないでしょうか。

楷書 行書 草書

507. [拭][ショク][ふ-く][ぬぐ-う][画数:9画][部首:手]

『払拭』

 この言葉の読み方は、「ふっしょく」だけかと思いましたが、「ふっしき」と言う言い方もあるのですね。
 物理的に綺麗にするよりも、私はこじれた問題をリセットする場合に使いますし、もやもやした気持ちをサッパリさせる時にも使います。
 使い方も人それぞれですが、私は精神的な意味で使う事が多いと思っています。

楷書 行書 草書

508. [][ショク][ふ-える][ふ-やす][画数:12画][部首:歹]

『高速増炉』

 いわゆる原子力発電の方法の一つです。
 私は、人間が始末できる事は大いに冒険しても良いと思う方です。しかし、後始末も考えないで物事を進めるのはどうかと思います。
 この「高速増殖炉」は、発電しながら消費した以上の燃料を生成できる原子炉と言う事で、一見良さそうに思えるのですが、それでも廃棄物はどう処理するつもりなのでしょう。まして、発電中に事故が起こった場合の処理は、今のままで良いのでしょうか。
 疑問点が山積の原子力発電。もう一度冷静にエネルギー問題を考えても良いのではないでしょうか。

楷書 行書 草書

509. [][ショク][かざ-る][画数:13画][部首:食]

拒諫きょかんしょくひ

 人の助言に耳を傾けないばかりか、その言い訳は理に適っていない場合にこんな言葉を使います。
 しかし、案外そんな人は世の中に居ます。特に権力を持っている人の中には。
 なぜそんな事が起こるのでしょう。もちろん権力があるからですが、それにへつらう人が周りにいるからでしょう。と、言うよりそんな人で周りを固めているからかも知れません。
 意外と昔から直訴とか諫言と言う言葉どおり、進言するにも命懸けだったのでしょう。
 今でも上司に対して忠言しようとすれば、職を辞さないとならない場合があります。
 上下関係と言うのは難しいですね。出来れば自分が上の立場になったら、部下の言う事には耳を傾けないと、知らない間に、裸の王様になっているかも知れません。

楷書 行書 草書

510. [][ショク][ふ-れる][さわ-る][画数:13画][部首:角]

忌諱ききれる』

 この場合は、上司の嫌がる言動をする事ですが、これは前の項に挙げたような諫言でも忠言でもありません。
 今で言えばKYとでも言えば良いのでしょうか。空気の読めない人です。何事もTPOは必要です。
 このような言動を周りの状況も考えないで、人の嫌がる事を目的も無しに、自分の思った事を口に出すのは、同じ穴のムジナと言えます。
 ご機嫌を損なうのも、時と場合によります。もちろん機嫌を損ねるような言動とは、違った方法を見つけるべきだとは思いますが。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の506.~510.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【醸】酉部(ゆうぶ)・とりへん・ひよみのとり・さけのとり・とり
  2. 【拭】手部(しゅぶ)・て・てへん
  3. 【殖】歹部(がつぶ)・ガツ・がつへん・かばねへん・しにがまえ・いちたへん
  4. 【飾】食部(しょくぶ)・ショク・しょくへん
  5. 【触】角部(かくぶ)・つの・つのへん

 ・・・・つづく。

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