中学校で習う漢字三体字典 Part109

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

541. [][スイ][いき][画数:10画][部首:米]

が身を食う』

 「粋」と言うのはこの場合、遊び人の事を指しているのでしょう。遊興の道は、道と言っても身を滅ぼしてしまうという譬えです。
 どんな道でも、生活を考えずにやるからこそ、その極意に触れる事ができるのかも知れません。昔から赤貧洗うような生活を余儀なくされている、達人もいるように聞きます。
 しかし、道楽と同じにはしてもらいたくはないのですが、粋も極めれば、粋。かも知れません。
 ちなみに、この「粋」を関東では「いき」、関西では「すい」と言うらしいですが、私は、関東と関西を行ったり来たりしていますので、どちらが良いのか分かりません。

楷書 行書 草書

542. [][スイ][おとろ-える][画数:10画][部首:衣]

『物盛んなれば即ちおとろう』

 「祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。」平家物語の冒頭の部分です。
 平家物語を読んだ事はありませんが、この冒頭の部分は何故か知っています。
 特に「盛者必衰の理」の部分と、同じ平家物語の巻第十一二(一五六)維盛入水の一節にある、「聖も哀れに思ひけれども我さへ心弱くては叶はじとや思ひけん涙を押し拭ひさらぬ体にもてなして 高きも賤しきも恩愛の道は思ひ切られぬ事にて候へばまことにさこそは思し召され候ふらめ  中にも夫妻は  一夜の枕を並ぶるも五百生の宿縁 と承れば前世の契り浅からず 生者必滅会者定離は憂き世の習ひにて候ふなり 末の露本の雫の例しあればたとひ遅速の不同ありといふとも後れ先立つ御別れつひに無くしてもや候ふべき」
 の中の言葉「生者必滅会者定離」は、心に残っています。
 この「生者必滅」の部分は直ぐに納得できました。しかし、「会者定離」については、幼い頃は仲の良い人や両親は永遠と思っていました。しかし、必ず別れが来る事もこの歳になると何度も経験しました。
 そして、この「盛者必衰」も理とまでは理解出来ませんが、確かに栄えている、飛ぶ鳥を落とす勢いのある団体、会社、人それぞれに長い月日を見ると、跡形も無くなる場合も、廃れていく姿もこの目で見てきました。やはりことわりなのかも知れません。

楷書 行書 草書

543. [][スイ][よ-う][画数:11画][部首:酉]

『除けて通せ酒のい』

 中学生の時に、環状線の駅、京橋のホームで、酔っぱらいに殴りかかられ、それを避けて殴ろうとしたら、駅員に後ろから羽交い絞めにされた事を思い出しました。
 それから、酔っぱらいには近づかないようにしていますが、学生の頃に、階段から酔っぱらいを突き落とした事がありました。
 酔っぱらいには良い記憶がありません。人の事は言えないのですが、私も酔っぱらって電車の中で倒れた事も、看板を蹴飛ばした事も、色々やっています。

楷書 行書 草書

544. [][スイ][と-げる][画数:12画][部首:辵]

『未

 憲法の第三章 国民の権利及び義務、第十九条【思想及び良心の自由】があります。その内容は、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」とあります。
 と言う事は、考えただけでは罪にならないのではないですか。
 しかし、未遂と言うのがあります。ただ未遂と言うのは、考えるだけにはとどまらず、計画に着手したことが要件のようです。しかもこの未遂罪というのは、刑法の中に定めている場合に、有効となります。
 それは、窃盗、不動産侵奪、強盗、事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷、強盗・強制性交等及び同致死の刑法に記載されている事がこれにあたります。
 ですから、憲法上では全ての思想の自由を保障していますが、それだけでは罪を犯す人がいるので、刑法に規定したものと思われます。
 それでも、最近は難しいでしょうね。例えば犯罪計画を事細かに行動計画をたてて、コンピュータに保存していた場合、これは計画に着手したと言えるのでしょうか。
 それとも、想像を働かせて空想したのでしょうか。あるいは、ゲームの素案だったり、言い逃れはいくらでも出来るような気がします。

楷書 行書 草書

545. [][スイ][画数:13画][部首:目]

『食後の一 万病円』

 「食べてすぐ寝ると牛になる」と昔は良く言われました。しかし、実際に牛になった人を見た事はありません。いや、現実にはそんな事は無い事は分かっています。
 この諺は、万病円は江戸時代の丸薬ですから、随分昔に出来たと思われます。
 それでも、行儀、いや躾を優先したのでしょう。
 しかし、先見の明があると言うのか、今はこの諺のように、食後横になる事を奨励しているお医者さんもいるくらいです。
 これは、胃を働かせるための方法です。食後は胃に血流が行きますので、消化を助けるためには良い方法と思います。しかし、本当に寝てしまわないように。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の541.~545.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【粋】米部(べいぶ)・こめ・こめへん
  2. 【衰】衣部(いぶ)・ころも・ころもへん
  3. 【酔】酉部(ゆうぶ)・とりへん・ひよみのとり・さけのとり・とり
  4. 【遂】辵部(ちゃくぶ)・しんにょう・しんにゅう
  5. 【睡】目部(もくぶ)・め・めへん・よこめ

 ・・・・つづく。

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