中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
746. [吐][ト][は-く][画数:6画][部首:口]
『握髪吐哺』
「春秋時代、周公旦は食事中でも食べ物を吐き出し、入浴中でも濡れた髪を握って、面接を求める人にはすぐに面会して、すぐれた人材の登用に努めた故事から。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】。
上になればなるほど、自分を優先して考える人が多い中で、このように自分の生活を二の次にして、人を大切にすれば、自ずとその組織は充実してくると思います。
残念ながら、権力を得ると、勘違いか、虚勢なのか分かりませんが、往々にして自分中心にしか物事を考えなくなるようです。
楷書 | 行書 | 草書 |
747. [妬][ト][ねた-む][画数:8画][部首:女]
『妬賢嫉能』
有難い事に、私は今まで人を羨ましく思った事がありません。ですから当然、妬む事もありません。
自分では気が付かないのですが、どうも我が道を行くタイプなのかも知れません。悪く言うと我が儘なのだと思います。
ただ、自分の能力は、人と比べてもどうにもならないと思っています。出来る人を目標にすれば、何も嫉妬する事にはならず、帰って尊敬の気持ちしか湧きません。
私の友人知人は、そろって私以上の才能を持っていたと思います。ですから、凄いとか、素晴らしい、あるいは偉いな、と言った感想しか持っていません。
人を羨むより、そんな友人と仲良くする方が気持ちが安らかになります。
楷書 | 行書 | 草書 |
748. [途][ト][画数:10画][部首:辵]
『雨垂れは三途の川』
昔よく聞いた言葉に、「男子家を出ずれば七人の敵あり」があります。
この諺もこれと同じように、家を出るとどんな災難が待ち受けているか分かりません。ですから、注意するに越した事は無いと言う戒めです。
最近は男女平等の世の中ですから、男子とは限らないと思いますので、女性も家を一歩出ると、気を引き締めているのでしょう。
そして、犯罪が多岐に亘っていますので、家にいるからと言って安心してもいられなくなりました。
アポ電強盗やオレオレ詐欺など、今までには考えられない犯罪が横行しています。困った世の中になったものです。
楷書 | 行書 | 草書 |
749. [渡][ト][わた-る][わた-す][画数:12画][部首:水]
『三豕渡河』
「中国の春秋時代の子夏が旅の途中に、「晋の軍隊が三匹の豕と河を渡った」と史書を読んでいるのを聞き、「己」を「三」、「亥」を「豕」と読み間違えて、三匹の豕ではなく、年号の己亥の年と読み間違えたのだろうと指摘したという故事から。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】。
と言う事は、「晋の軍、己亥に黄河を渡った」と書かれていたのでしょう。四字熟語にすると「己亥渡河」を読み間違えた見たいです。
なぜ「己」を「三」に、「亥」を「豕」と読み間違えたのか疑問に感じますが、活字であれば間違う事は無いと思います。しかし、書き文字で崩された文字であれば似ているかも知れません。
特に書道で書く草書は、よく見ないと違いが判らないものがあります。しかも、書く人によって違います。間違っても仕方がないかもしれません。
ちなみに、「己亥」と言うのは「干支」の事で、この年は「異常干支」と言われているそうです。今年は「庚子」で、やはり「異常干支」にあたり、普通ではないエネルギーが働くのだそうです。
昨年は「己亥」で、天皇が即位され良いエネルギーがあったのかも知れません。今年はコロナウイルスがその「異常干支」に当たるのかも知れません。
楷書 | 行書 | 草書 |
750. [塗][ト][ぬ-る][画数:13画][部首:土]
『一敗、地に塗れる』
この言葉はよく聞くのですが、ボンヤリとしか分かっていませんでした。
「再び立ち上がれないほど大敗してしまうこと。一度の戦いで完全に敗北し、内臓が地面で踏みにじられ、泥まみれになるという意から。」【出典:ことわざ辞典ONLINE.】。
であれば、二度と立ち上がれない、リベンジしようもない、そんな負け方をする事ですよね。
内臓が地面に踏みつけにされる前に、もうこの世の人では無くなっているし、余程遺恨があったとしか思えません。
想像するだけでもゾッとしますが、真剣勝負とはそんなものだと思っています。
楷書 | 行書 | 草書 |