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サラリーマンに必要な事は、『報・連・相』(ほうれんそう)と習ったことがあると思います。組織で仕事をするには、仲間や上司のバックアップが無ければ成り立ちません。自分が良いと思っても、組織的には悪い事もあります。ですから、現在の状況を報告したり、これから何をするか連絡したり、これからしようと思う事を相談したりする必要があります。
この『報・連・相』がうまく行われない組織は、組織といえる働きが出来ません。
中には、組織でありながら、個人のスタンドプレーで成り立っている事も、ままあります。しかし、それは組織ではなく、集合体です。集合体の場合は、個々の案件に対して『報・連・相』をしなくても成り立ちます。それでも、集合体を解体するような事案に対しては、やはり『報・連・相』が役立ちます。
この『報・連・相』にも、TPOという方法が介在しないと、うまく事が運びません。
前回同様原文は、下記のバーをクリックすると見る事が出来ます。
漢文では『使民以時 古之良典 故冬月有間 以可使民 従春至秋 農桑之節 不可使民 其不農何食 不桑何服』
では、読み下して見ましょう。
『民を使う時を以てするは 古の之良典なり。 冬の月は間が有る故 以て民を使う可 春従秋に至るまで 農桑之節 民を使う可不 其れ農せ不んば何を食わん 桑とら不何をか服さん』
現代文に変える前に、言葉を少し理解しておきましょう。
「良典」:良い教え、「従」:から、「桑」:くわ、「節」:時期、をそれぞれの意味し、桑の葉は蚕の飼料になるので、「服」は着る事を表している。
では、この事を踏まえて、現代文として見ましょう。
『民を使うのは時節を考えるよう、古くから言い伝えられている。冬は昼間が短く夜が長いので、公務に就かせる、春から秋にかけては、農作物や桑畑の繁忙期だから、民を使ってはならない。農作業しないで何を食べようというのか、また桑の葉を育て蚕から絹を取らないで何を着ようというのか』
ここでは、今で言うTPO、すなわち、 Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合。Opportunityと使われることもある)を考えて、民を使えという事ですが、今では、仕事を頼む場合は、TPOを考えて頼みなさい、という事だと思います。
これが仕事の依頼だけではなく、人と話をする時でもTPOを考えないと『礼節』を欠く事になります。もちろん時間も関係しますし、場所柄を弁える事も必要です。そして、その時言って良い事か、悪い事かも判断しなければ、相手に対して『礼節』を欠く事になります。
『礼節』を欠く事は、何も自分が恥をかくだけではありません。相手に恥をかかせる場合もあります。また、知らない間に、相手を貶める事にもつながります。
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この事も失敗しないと覚えられない事です。しかし、一つの失敗から一つの『礼節』を知る分けではありません。一つの失敗から関連した幾つもの事柄に対して、こんな事は、この場合は、あるいは、この時には、口に出すべきではないと知り、勉強する事ができると思います。
「一を聞いて十を知る」と言う諺がありますが、少しの情報から全体を知ると言う意味で使われています。もともと論語の中にでてくる言葉ですが、そこで使われているのは、謙虚に自分を低く置いて、人を高く評価する言葉として使われているみたいです。自分の事を言うと、単なる自慢になってしまいます。これも、TPOを弁えた言葉の使い方でしょう。
聖徳太子が1500年前に書かれたとみられる、十七条憲法を、漢文、読み下し、現代文と解明してきました。ここでは、『礼節』に関りがあると思われるものだけ、抜粋しています。十七条の内、十条を取り上げました。その他の条も現代に当てはめて考えますと、大変重要な事が書かれています。興味のある人は、『原文』を掲載していますので、読み解いてみてはどうでしょう。
さて、今日で十七条憲法の徹底解剖と題した投稿もすべて終了しました。『礼節』に関係すると思われるものを取り上げ解明しても、一日一条ですから、もう初めの条の印象が薄くなってきています。私が、です。念のため。
ですから、明日は、もう一度、『礼節』と関わり合いのあると思われる条をまとめてみようと思っています。
明日と書きましたが、これは、結構手間取る作業なので、次回と言う事にして置きます。ご期待下さい。