お習字から書道へ Section 37

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 まだ余震に気を付けた方が良いでしょう。
 心配だと思います。地震のような自然災害は、人知を超えるような途轍もないエネルギーで、人間が築いてきた生活を一瞬にして奪い去ってしまいます。

 だからと言って、投げやりになる必要もありません。

 今朝も文字を選んで書く事にします。

 この文字を選ぶときには、『楷行草筆順・字体字典』から、上手く書けそうな文字と、難しそうだな、と思う文字の二種類の文字を選ぶようにしています。

 前回は、「のごめへん」「すきへん」「たくみへん」を取り上げました。
 文字は、「釈」、「耕」「耗」、「左」「差」「巧」を楷書で、「釈」「左」「差」を書写体で書きました。

 今回は、「つちへん」「たまへん」「たつへん」を取り上げました。
 文字は、「地」「坂」「型」、「玩」、「章」「端」、を楷書で、「玩」「章」「端」を書写体で書きました。

 


 
 「地」は、「池」と同様、私には書きやすい文字の一つです。なんとなくですが、バランスが取りやすいのですが、これも相性が良いのかも知れません。理由が分からないからです。
 
 同じ「つちへん」でも、「坂」は相性が良くありません。「阪」と同じでバランスの取りにくい文字です。

 「型」と言う字は、一見正方形に書けばバランスが取れるように思えるのですが、三つの部分を上手く調整しなければなりません。一画目の横画の延長線上に六画目の起筆が来るようイメージする事で、バランスが取れると思います。
 


 
 「たまへん」は、「つちへん」より縦の長さがされますので、比較的旁とのバランスが取りやすい文字です。しかし、この文字も一画目の横画の延長線上と旁の上を合わせて、最後の曲がりからのはねでバランスを取るようにしました。
 

 


 
 「たつへん」でも、「章」は、上中下と部分が重なっていますので、『結構八十四法』にある、『三停』と呼ばれる方法によります。このブログでは、Section 28の一口メモに記載してあります。
 
 私が説明を試みていますので、そのまま引用しますと、「一部を小さく書いたりして、縦長になりすぎない工夫が必要な文字です。例えば「章」「彙」などです。」のように「日」を小さく書くようにしています。

 

 

 もし、この文字を手本なしで書くと、偏が少し大きく書きすぎ、上の「山」も大きくなってしまうでしょう。手本はこの文字のように「山」の字を小さくすることで、安定感のある文字にしていると思います。

 書写体の文字は、ただ手本を真似て見ましたが、バランスの取り方が、今の私には難しすぎます。

 

 

 一口メモ 

  前回からの続きで、『はじめての書道楷書』(関根薫園著)で、中国の李淳と言う人の手による「結構八十四法」と言う文字の組み合わせ方を説明していきたいと思います。

 今日は第十一回目です。取り上げるのは、「曽頭そとう」「其脚ききゃく」「長方ちょうほう」「短方たんほう」の4つです。

 「曽頭そとう」名前の通り「曽」の文字をあげて、その点の書き方を言っています。一画目の点より二画目の点を高くし、長く引きます。一画目から二画目に筆の繋がりがある気持ちで書く事と、点の上を広く、下は狭くなるように書きます。

 「其脚ききゃく」これも、「其」と言う文字の説明です。上の縦画の幅を狭くして、下の字画を開くようにまとめる、とあります。また、横画は左側に出る部分を短く、右側を長くするようにします。

 「長方ちょうほう」は、「周」と言う文字を例にして、縦画を長めにして、裾の部分を少し開き気味にしてまとめるよう、説明されています。

 「短方たんほう」は、文字を「由」をあげて、上の横画を長めにして、一番下の横画を短くしてバランスを取るようにします。

 

【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.

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