お習字から書道へ Section 51

スポンサーリンク

 色々な手本を観察する事も、勉強にはなりますが、私のように「書道」の入り口にいる者は、見れば見るほど、立ち往生してしまいます。

 まだまだ、一つの手本を基にお習字をした方が良さそうだと思っています。

 さて、今朝も文字を選んで書く事にします。

 この文字を選ぶときには、『楷行草筆順・字体字典』から、上手く書けそうな文字と、難しそうだな、と思う文字の二種類の文字を選ぶようにしています。

 前回は、「うまへん」「うおへん」「はへん」を取り上げました。
 文字は、「駅」「験」「驚」、「鮮」「鯨」、「齢」、を楷書で、「駅」「験」「驚」「鯨」「齢」を書写体で書きました。
 今回は、「かわへん」「かたへん」「さとへん」を取り上げました。
 文字は、「靴」、「施」「族」「旗」、「重」「野」、を楷書で、「施」「族」「旗」「野」を書写体で書きました。
 

 「靴」でのポイントは、なだらかなペナントの三角形をイメージすると書けると思っています。徐々に右側の旁の縦幅を縮めていくような感じです。

 

 

 「かたへん」は、ふたつあり、「片」と「方」です。前に「かたへん」を取り上げましたが、それは「片」で、今回は「方」を取り上げています。東京書道教育会に掲載している順序とは逆になってしまいました。

 書写体の偏で書くと、とても同じ文字には見えません。

 「施」のポイントは、全ての字画を右上がりに書けば調和した文字になります。

 


 「族」も「施」と同様に右上がりがポイントです。そして、横画の線の角度は一定方向にする事で文字のバランスが取れます。

 

 
 「旗」の場合は、やや偏の部分を小さく書き、ほぼ正方形に書くようにしました。

 

  
 「重」は縦画を垂直にする事で、バランスを取ります。縦画から横画のバランスを取ると上手く書けますが、現在一口メモに記載の四番目の上寛下窄法になるのではないでしょうか。

 「野」のポイントは、「予」の位置にあると思い、起筆を少し下げて、収筆は、偏より少し下から、偏の方向にはねるようにしました。

 一番下に書いたのは書写体です。

 

   

 一口メモ 

 「書道技法講座〈楷書〉九成宮醴泉銘」(余雪曼著)が、「結体三十六法」と「結構八十四法」を基に九成宮碑文の特殊な結構を参酌して四十四に書き表したものを紹介します。
 今回は、その3回目です。
 【ここで書いてある文字は、九成宮醴泉銘を私が臨書したものです。赤い線は。『書道技法講座〈楷書〉九成宮醴泉銘』を参考に入れています。】
(6) 上平法
 読んで字のごとく、上を平らに書きます。しかし、「壮」の文字は、この九成宮醴泉銘の臨書では、違って見えます。

 この説明には、上が平らにそろい、となっています。

 重心を上の方にするように書かれています。 

  
(7) 下平法
 この場合は赤い点線に「記」「把」とも、下が揃っているように見えます。ただし、九成宮醴泉銘では、右上がりに書きますので、若干のずれは許容範囲なのでしょう。

【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.
・余雪曼(1968-1990)『書道技法講座〈楷書〉九成宮醴泉銘』株式会社二玄社.

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です