お習字から書道へ Section 57

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 今朝は、半切(約34.5×136cm)に書いて見ました。お習字と空手の型は、よく似ているところがあります。特に今朝書いた14文字を二行に書くと、かなり神経を集中しないと上手く書けません。
 途中で気持ちが途切れてしまうと、書けなくなってしまいます。

 書籍では、一度書きだしたら最後まで書くように書いてありますが、私の場合は、一文字目であっても、上手くいかなければ、新しく用紙を用意して書きます。
 もちろん、用紙がもったいないので、書き損じた紙は、違う文字の練習に使います。 

 この写真は、携帯電話(ガラ系)で撮ったものです。初めて雅号を書いて、落款の白文と赤文を押しました。この落款を押すとなんだか格好良く見えますね。
 Section 41にも同じ「星河不動天如水風露無聲月満楼」「せいがふどう、てんみずのごとし、ふうろこえなく、つきろうにみつ。」を載せましたが、雅号を書いたのは初めてです。二週間以上経ちますが、少しは上手くなったでしょうか。
 落款も前の物は5分角(15mm)、今回は7分角(21mm)の物です。印材が来た時に彫って、ブログに掲載しましたが、出来が良くなかったので、彫り直しました。

 空手の型の場合も、私が稽古する時には、一動作目で一時間位、同じ動作を何度もする事も、度々あります。
 これは、人によると思いますが、全体を後で反省して次に生かす事ができる人であれば、全体を一応やって見てから、次に生かすような方法を取れると思います。

 お習字の場合も、私は一字一字、一画一画反省しながら、身に付けてから次に進む方法を取っています。
 それでも、全部書き終わって、後で眺めて見ると、アウトの場合が全てです。しかし、課題の提出の場合は、最善をつくして評価を待つ事にしています。

 このあたりは、空手道も書道も同じだと思っています。

 さて、今朝は、半切を書き終わってから、ブログ用の文字を書きました。

 今まで通り『楷行草筆順・字体字典』(江守賢治著)から、上手く書けそうな文字と、難しそうだな、と思う文字の二種類の文字を選ぶようにしました。

 半切用の太い筆から、半紙用の筆に替えて書くと、慣らすまでに少し時間がかかります。

 前回は、「ぼくづくり」「あくび」「おのづくり」を取り上げました。
 文字は、「改」「放」「敏」、「次」「欧」「歌」、「断」「新」を楷書で、「敏」「断」を書写体で書きました。

 今回は、「とます」「ふでづくり」「おおがい」を取り上げました。
 文字は、「料」「斜」、「粛」「肇」、「頂」「順」「頭」を楷書で、「粛」「肇」を書写体で書きました。
 

 縦画の難しさが現れる文字だと思います。

 「料」は、ほとんど同じ長さで平行に縦画が並びます。この角度が少し傾いても安定しないので、平行に書くための習熟が必要になってきます。

 「斜」の方が、偏の縦画が短いので、少し書きやすいと思いました。

 空白に文字を書く時に、出来上がりを瞬時にイメージ出来ません。
 

 この文字は、何となく書いた文字、と言う表現が適当でしょう。

 手本は観察しているのですが、イメージが掴みにくい文字でした。

 少し縦に長すぎると思っています。

 


 「肇」は、上手くまとまったのではないでしょうか。難しい文字ですが、上手く書けたと思っています。

 書写体の方は線が細すぎました。
 この細さは、自己分析すると、自信の無さの現れかも知れません。

 字を書くと言うより、形を作るのに精一杯の感じがしてきます。
 

 
 「おおがい」自体、形の取りにくい旁です。
 「頂」と言う字の形としては、これで良いと思いますが、毛筆書体としては、評価に値しない文字に思ってしまいます。これは、「おおがい」が出来ていないからだと思います。

 

 
 「順」は、縦画が五本並びますので、その難しさには閉口してしまいました。

 まだ、良いのか悪いのかの判断できる状態ではありません。

 

 
 「頭」は、偶然ですが、「おおがい」は、上手く書けたと思います。
 しかし、文字全体のバランスから見ると、「豆」の「口」が大きかったように感じています。その分文字全体のバランスが取れなかったのでしょう。
 
   

 一口メモ 

 「書道技法講座〈楷書〉九成宮醴泉銘」(余雪曼著)が、「結体三十六法」と「結構八十四法」を基に九成宮碑文の特殊な結構を参酌して四十四に書き表したものを紹介します。
 今回は、その9回目です。
 【ここで書いてある文字は、九成宮醴泉銘を私が臨書したものです。赤い線は。『書道技法講座〈楷書〉九成宮醴泉銘』を参考に入れています。】
  
(19) 中大法
 左払いと右払いが上ではなく上と下の中に位置する場合は、上を受けて下を包み込むように書くような方法です。受けると言うのは分かりにくいかも分かりませんが要するにアンバランスにならない事です。そして、包み込むようにと言うのは、左右の払いからはみ出さないように書くと言う事と理解しています。

 

 

(20) 頂戴法ちょうたいほう
 
 上の部分と下の部分がバランスよく配置されるように、書くのですが、ここでの表現は、上はちゃんと乗り、下は静かにすわっていなければならない。と書いてありますが、ここでも抽象的な言葉で書かれてありますので、分る範囲で具体的にしてみます。

 下の部分の中心軸を外れないように上の部分の中心を決めて書く事だと思います。
 「覧」の場合は「見」と言う字の「目」の真ん中を中心軸として、上の「臣」の右側に中心軸をイメージして書くとバランスが取れます。
 「壹」の場合は上も下も中心軸は真ん中になります。その中心軸から左右の長さを均等にして書くとバランスが取れると思います。

【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.
・余雪曼(1968-1990)『書道技法講座〈楷書〉九成宮醴泉銘』株式会社二玄社.
・續木湖山(1970)『毛筆書写事典』教育出版株式会社.

 

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