「心・技・体」の「技」【逆突き】

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  【空手道の基本である、「逆突き」について、練習する前に知っておくべき事】  

 空手道に限らず、武道一般でよく使う言葉に、「心・技・体」という言葉があります。
 先の投稿では、基礎体力の投稿で「体」の基本的な整え方について述べました。
 また、沢庵和尚の「不動智神妙録」を紹介しながら、「心」についても学びました。私が空手道を通して、必要と思われる「心」については、ブログコンセプト「髓心」を読んで頂きたいと思います。

 ここでは、空手道を主体に「技」について理解を深めていきたいと思います。
 その空手道の「技」については、色々な「技」がありますが、今日は「逆突き」という技について、私の見解を述べます。
 まず、技というものは「術技」という言葉どおり、「術」である必要があります。「術」で思い浮かべるのは「奇術」ですね。いや、ちょっと、強引ですかね。これは、人が「あっ」と驚く、予期しない出来事を「術」によって表現する事だと思っていて、正に武道には必要な「術」の考え方だと思っていますす。「合気道」の「合気上げ」は、非常に人間の筋肉の反応を利用した「術」であると思います。
 「合気上げ」とまでは、行かないまでも、空手道の「逆突き」にも、「術(すべ)」があります。
 ここで、一つの例を挙げて見ましょう、特殊警戒棒が解りやすいのかも知れませんが、一般的ではないので、「折り畳み傘」を想像してください。
 傘の手元(ハンドル)を持って、振ってみると、中棒(軸)伸びて、使用するときの長さになります。
 警戒棒はこの中棒だけだと想像してください。太さも硬さも傘とは比較になりませんが。振ると警戒棒として使える長さになります。警察官や警備員が腰に付けている20センチほどの鉄の塊です。通常はケースに入っています。
 これは、太い管の中に入る中間の管、その中に入る小さい径の管によって作られていて、振ると太い管から中の管が外に出る仕組みになっています。ポイントは、太い管から中の管が出る時に、ストッパーによって止まり、中の管から小さい径の管が飛び出る仕組みになっていることです。
 ストッパーが無いと、中の管も、小さい径の管も飛び出てしまうからと理解できますが、その他に、飛び出した管が止まる事によって、小さい管が飛び出す助けとなっていることに、着目しましょう。
 逆突きの場合の初動は、足裏です。突く方の土踏まずを床に押し付けることから、上に力を伝えていきます。ほんの僅か土踏まずを床に押し付けたら、その動きに引っ張られるように、が内側に回り、同時に太ももが内回転します。ほんの少しです。その動きで、突き手側の骨盤が回転します。ここが大切で、骨盤が回転したとき、鼠径部(図参照)に張りを感じます。その張りを維持する、いや、その張りに止める力を加えることにより、骨盤の回転が止まります。この止まった状態から上半身が回転し、肩を動かし、肘に力が伝達され、腕の力ではなく、伝わった力で飛び出します
 力を入れるのは、足裏のほんの僅かな力と、骨盤の回転を抑える反作用の力だけです。
 でんでん太鼓(今は知る人も少ないのかも知れませんが)のように、順回転を逆回転することにより太鼓がなる仕組みと同じです。

 ここで、動画を見てイメージを作って下さい。

 よく、腰を回転することによって、上半身に力を加えるという、理論が一般的なのかも知れません。また、腰を逆回転する事によって、その突きを速くすると言った説明も見受けます。
 武道である事を考えると、出来るだけ、スムーズに無駄な動きは取り去らなくてはなりません。それは、「術(すべ)」だからです。相手にその起こりを察知されないよう。初動を考えるべきだと考えています。

 次回は、順突きについて考えてみましょう。
 
 

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